一文字屋お紅実事件帳 紅珊瑚の簪

一文字屋お紅実事件帳 紅珊瑚の簪一文字屋お紅実事件帳 紅珊瑚の簪

(いちもんじやおくみじけんちょう・べにさんごのかんざし)

築山桂

(つきやまけい)
[捕物]
★★★☆☆

大坂を舞台とした時代小説で注目の築山さんの新シリーズ第一弾。デビュー作『浪華の翔風(なにわのかぜ)』以来、築山さんの今までの作品は大坂が舞台のものが多い。今回の主人公・一文字屋お紅実(くみ)は、江戸育ちで母お香の死後、父文蔵の住んでいる大坂にやってきたという設定。文蔵は板元(本の出版販売業)である一文字屋の主で、お紅実も一文字屋を手伝っていた。

わくわくする物語の展開とは別に、作者の研究テーマである、江戸時代の大坂の本屋事情が随所に描かれていて興味深い。大坂時代小説では、商人たちがいかにお金の力を使って、権力者をもつ武士と対抗していくかが見どころになる。『一文字屋お紅実事件帳 紅珊瑚の簪』にも、そんな対決シーンが描かれている。

築山桂さんの公式サイト「つきやま楽所」

ブログ◆
2006-04-14 大坂を描く時代小説の面白さ
2006-04-13 大坂の町娘が活躍する時代小説

物語●お紅実は、町会所で留守番をしていた折、火事が起こり、草紙屋殺しの下手人と疑われていた男を解放してしまう。そのことで、町奉行所同心浦辺兵七郎と手先の弥吉に付きまとわれることになる。 事件の裏には、大坂商人に莫大な御用金を要求する勘定奉行とそれに対抗する豪商たちの確執があり、過去の「大坂城御金蔵破り事件」も関係していく……。

目次■第一章 紅珊瑚の簪/第二章 刺青の男/第三章 猿飛一味/第四章 蔵破り

カバーイラストレーション:室谷雅子
カバーデザイン:長谷川正治

時代:文政十二年ごろ(内藤隼人正矩佳が勘定奉行になったばかりのころ)

(廣済堂文庫・600円・06/04/01第1刷・286P)
購入日:06/04/07
読破日:06/04/14

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