密命 弦月三十二人斬り

密命〈巻之ニ〉弦月三十二人斬り (祥伝社文庫)
密命 弦月三十二人斬り
(みつめい・げんげつさんじゅうににんぎり)
佐伯泰英
(さえきやすひで)
[政争]
★★★★

第1作の『密命 見参!寒月霞斬り』(祥伝社文庫)から7年後、吉宗の八代将軍宣下を1ヵ月後に控えた頃が、作品の描かれている時代。この7年間にいろいろなこと(もちろん作中で描かれている)が起こり、主人公の金杉惣三郎は、なんと、藩の留守居役という重職についていた。

というわけで、今回は、相良藩にとどまらず、御三家や将軍家も巻き込む、スケールの大きな政争劇に発展し、その陰謀に金杉惣三郎が挑むことになる。藤沢周平さんの『用心棒日月抄』(新潮文庫)を思わせるような、脱藩して事件解決に働く主人公が泣かせる。

物語●豊後相良藩二万石の下屋敷で、正室のお麻紀の方を迎えて二十六夜待ちの月見の宴を催された。黒装束の一団が乱入し、女中たちを襲った。幸い、藩留守居役・金杉惣三郎らの手で賊は撃退され、お麻紀の方に怪我はなかったが、乳母・刀祢が殺害された。黒装束たちは何者なのか? 盗賊か、公儀の隠密か?
藩主斎木高玖は、徳川吉宗の将軍宣下のために、国表から江戸へ向かっていた…。何者かの陰謀に巻き込まれようとする相良藩、金杉惣三郎の活躍はいかに…。

目次■一章 二十六夜待ち/二章 お杏狂乱/三章 紀州の影/四章 宣下前夜/五章 菊屋敷のしの/六章 長屋暮らし/七章 愛宕山八十六段三十二人斬り/解説 細谷正充

カバーイラスト:古賀政男
カバーデザイン:中原達治
解説:細谷正充
時代:享保元年(1716)
場所:広尾、愛宕下佐久間小路、芝片門前町、小石川御門、飛鳥山、増上寺ほか
(祥伝社文庫・600円・99/09/10第1刷・369P)
購入日:99/09/05
読破日:99/09/14

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