千の倉より 取次屋栄三4

千の倉より 取次屋栄三4
千の倉より 取次屋栄三4
(せんのくらより とりつぎやえいざ)
岡本さとる
(おかもとさとる)
[痛快]
★★★★

『取次屋栄三』『がんこ煙管』『若の恋』に続く、「取次屋栄三」シリーズの4作目。4作目ぐらいになると息切れが心配なところだが、登場人物たちを自在に動かして、ますます好調。どの話もオリジナリティがあって楽しめる。

カバー帯に「千昌夫さん、感銘!」の大きな文字。前作『若の恋』では名取裕子さんが解説を担当されていたので、今回は千さんなのかと思ったら、文芸評論家の末國善己さんが素晴らしい解説をされていた。『千の倉より』の題名は、千さんには関係なく、「千の倉より子は宝」のことわざにちなんでいる。

『千の倉より』に四話が収録されている。子どもが主題の表題作もいい(子柄がいいというところか)が、秋月栄三郎をはじめ、気楽流の師弟たちが活躍する第四話の「お咲と三人の盗賊」がなんとも痛快だ。気楽流が実在の剣の流派と知って、へぇーって感心した。

物語●「浮世絵の女」栄三郎は師の岸裏伝兵衛から、知り合いの御家人の嫡男笠間忠也が、道場に通わないで入り浸っている場所を探るように依頼される…。「宝のありか」栄三郎の剣友・松田新兵衛が間借りしている唐辛子屋の老婆・お種の娘夫婦が失踪した。娘婿は腕利きの錠前師だった…。「千の倉より」栄三郎の手習い道場をのぞきにくる少年・千吉は両親がおらず、妹おはると二人暮らし。興味をもって後をつけると、聡明さと明るさで、千吉が多くの人に愛されているのを知る…。「お咲と三人の盗賊」栄三郎の剣術の弟子で、破落戸を退治したお咲に、町奉行の根岸肥前守からある依頼が…。

目次■第一話 浮世絵の女/第二話 宝のありか/第三話 千の倉より/第四話 お咲と三人の盗賊/解説・末國善己

カバーイラスト:蓬田やすひろ
カバーデザイン:長谷川正治
解説:末國善己
時代:文化三年(1806)正月
場所:京橋水谷町、呉服町、小石川片町、菊坂町、芝口一丁目、金杉橋南方、木挽町二丁目、芝源助町、芝牛町、真福寺橋、稲荷橋、八丁堀・薬師堂、湊稲荷社、霊岸島、深川十万坪、蔵前の閻魔堂、押上村、隅田村
(祥伝社文庫・619円・2011/07/25第1刷・306P)
購入日:2011/07/28
読破日:2011/07/30

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