銀簪の翳り

銀簪の翳り銀簪の翳り
(ぎんかんざしのかげり)
川田弥一郎
(かわだやいちろう)
[捕物]
★★★★☆☆

帯の「江戸の検屍官が走る!」のコピーに惹かれて購入。時代小説でこれほど、検屍が細かい作品は初めてだ。「無冤録述」という明和五年に発行された、検屍のバイブルが本作品で重要なキーになっている。

著者略歴によると、川田さんは、名古屋大学医学部卒で、病院勤務医だそうだ。そんなわけで、検屍シーンはディテールまで描かれていて面白い。

主人公の彦太郎の妻、お園、検屍好きの医者玄海、検屍風景を写生する美人絵師お月などの登場人物もきっちり描かれていて作品のクオリティも高い。

今度は、パトリシア・コーンウェルあたりに比較してみたい。

物語●大川沿いの深川元町の川縁で、土左衛門が見つかり、北町の定町廻り同心北沢彦太郎が検屍にでかけた…。大店の薬種問屋を襲った難事件を江戸の検屍官は、果たして解決できるのか!?

目次■第一章 梅/第二章 桜/第三章 花蘇芳/第四章 雷/第五章 時雨/第六章 箒星

装画:畑農照雄
装丁:藤村誠
時代:文政六年(1823)頃
舞台:上野山下、本町三丁目ほか。
(読売新聞社・1700円・97/10/10第1刷・404P)
購入日:97/10/21
読破日:97/12/13

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