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柳生武芸帳 上・下

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柳生武芸帳 上
柳生武芸帳 上・下
(やぎゅうぶげいちょう・じょうげ)
五味康祐
(ごみやすすけ)
[伝奇]
★★★★

上下巻合わせて1400ページ余りを通勤途中に読みはじめ、読了までに20日近くかかってしまった。多彩な人物が登場し、挿話に挿話を重ねているために、ストーリーと人間関係を頭の中で整理するのに難渋した。

もちろん、各挿話をパーツごとに取り出すと、それぞれが独立してもかなり面白いのだが…。時代小説の古典といわれ、多くの方が名作として上げられているだけに、もう少しわかりやすい作品と勝手に思っていた。恥ずかしい話だが、巻末の縄田さんの解説を読んで、ようやく全体像がつかめた。

読み終えてみると、隆慶一郎さんの一連の作品が、この作品の影響を受けていると批評される訳がよくわかった。『吉原御免状』(新潮文庫)は、未完で終わったこの作品のアンサーソングなのだ。奇しくもともに、『週刊新潮』に連載されることになる。

また、作者自身が、隆さんの場合とは違い、時間的な余裕を持ちながらも、完結させなかったのもなんとなくわかる気がする。

物語●唐津藩主寺沢堅高が自殺する六日前に、自刃をすべきか否か評定が行われた。そこで、武芸者山田浮月斎は、自害を勧めた。その理由として、公儀隠密を務める柳生の正体を暴露した…。

目次■なし

カバー:岩田専太郎
装幀:新潮社装幀室
解説:縄田一男
時代:唐津。八重洲河岸、江戸城、小石川、寛永寺。六郷、沖津川、元宿、尾張、京ほか。
場所:正保四年。寛永十二年。
(新潮文庫・上781円・93/05/15第1刷・98/02/15第4刷・706P、下777円・93/05/15第1刷・98/02/15第2刷・709P)
購入日:98/05/31
読破日:99/01/22

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