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神々に告ぐ 上・下

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神々に告ぐ 上
神々に告ぐ 上・下
(かみがみにつぐ・じょうげ)
安部龍太郎
(あべりゅうたろう)
[戦国]
★★★★

『信長燃ゆ』(日経新聞夕刊連載)、『関ヶ原連判状』(新潮社)からなる三部作の幕開けに当たる作品。いわゆる「エピソード1」といったところか。帝と神、朝廷のあり方、そして公家の存在などが大きなテーマになっているだけに、一筋縄で行かない、難しさがある。

主人公の近衛前嗣(さきつぐ、後の前久)と、戦国を代表するトリックスターの松永弾正の対決がみもの。

内裏清涼殿の女官が記した『お湯殿上の日記』を引用することで、物語に厚みを与えている。

物語●後奈良天皇の急逝により流動化を始めた朝廷において、大葬の礼の資金調達をめぐって保身か神聖な政事か、時の関白・近衛前嗣の魂は揺さぶられる。朝廷は衰微の窮みにあり、同年齢で従兄弟の将軍・足利義輝は、三好長慶に都を追われて、前嗣の父の稙家らと、朽木谷に逼塞していた…。

目次■第一章 朝廷衰微/第二章 流浪将軍/第三章 松永弾正/第四章 大葬の礼/第五章 西国下向/第六章 将軍出陣/第七章 畿内動乱(以上上巻)|第八章 義輝上洛/第九章 公武一体/第十章 信長登場/第十一章 景虎上洛/第十二章 晴信造反/第十三章 即位の礼(以上下巻)

装画:「風神雷神図屏風」酒井抱一(出光美術館所蔵)
時代:弘治三年(1557)八月
場所:銀閣寺、御所、朽木谷、石山本願寺、高雄山神護寺ほか
(角川書店・各1,900円・99/07/30第1刷・上286P、下302P)
購入日:99/08/08
読破日:99/08/22

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