[A] 歴史は苦手というあなたには
奇想天外でハチャメチャな時代小説はいかが
堅苦しい史実なんか、クソくらえって人には、ズバリ山田風太郎の忍法帖シリーズがおすすめ。
奇想天外や荒唐無稽なんていう言葉を超越したハチャメチャなお話です。
作品に描かれている時代は戦国時代ですが、信長も秀吉も家康も出てきません。
戦国の梟雄松永弾正は、主筋の三好義興の美しい妻右京太夫に邪恋を抱くことによって物語は始まる。弾正は、想いをとげるために幻術師果心居士の配下の七人の根来僧に、催淫剤をつくるために、美女の狩り集めを命じる。犠牲になったのは伊賀の服部半蔵の甥・笛吹城太郎の妻篝火。最愛の妻を奪われ殺された城太郎の復讐が始まる。七人の根来僧の使う忍法が面白い。名器平蜘蛛の釜の転変や東大寺大仏殿炎上などの史実も交えてあるので楽しい。
今から30年以上も前に、こんなイマ風のトンデモナイ話が書かれていたというのがすごい。こういう歴史離れした時代小説を伝奇時代小説といいます。
★こんな時代小説もおすすめ
『山田風太郎 明治小説全集 警視庁草紙・上』(山田風太郎・ちくま文庫)
『五右衛門妖戦記』(朝松健・光文社文庫)