[A] 通勤電車の中で本を読むあなたには
一話完結で連作形式の名作捕物小説がおすすめ
通勤・通学の電車の中で読む本の条件は、会話が多くて改行が多いもの。
込み合った中でも読める、ハンディな文庫版(Kindleなどの電子書籍もOK)。
一話完結で連作形式で、その中で事件が起こり、展開し、解決するもの。
難しい言葉が少なく、ユーモアがあるもの。
こういった条件にぴたりのものが、本シリーズ。
同じ平岩弓枝さんの『御宿かわせみ(おんやどかわせみ)』もおすすめです。
ただし、 座席に座って、とんでもなく面白い本を読むときは、降りる駅を乗り越してしまうので要注意です。
ぼくは、『伊賀忍法帖』(山田風太郎著)をこれをやって乗り越してしまいました。
南町奉行根岸肥前守の懐刀・隼新八郎、神道無念流の名手で頭脳明晰、心やさしい好青年だが恋には鈍感。あからさまにできない犯罪を、密かに探る内与力の役についている。折りしも、淀橋と成子坂で二つの殺人事件が発生、さらに、雑司が谷鬼子母神での惨劇に拡大する……。斬新な江戸ミステリー。
平岩作品の魅力は、テレビのホームドラマの脚本で培われた、キャラクター設定とそのチームワーク(連係プレーによる事件解決)の妙もあります。
★こんな時代小説もおすすめ
『傷 慶次郎縁側日記』(北原亞以子・新潮文庫)
『新装版 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)』(藤沢周平・講談社文庫)