遠謀 密命・血の絆

遠謀 密命・血の絆遠謀 密命・血の絆

(えんぼう・みつめい・ちのきずな)

佐伯泰英

(さえきやすひで)
[剣豪]
★★★★☆

お気に入りの「密命」シリーズの第14作目。金杉惣三郎の次女結衣が出奔した。しかも、旅芸人一座とともに尾張に向ったという。またしても尾張徳川家の陰謀か?今回の最大の見どころは、尾張柳生の手に落ちようとする結衣の窮地に、金杉惣三郎と息子の清之助が力を合わせて立ち向かうところ。回国修行中の清之助は大和の柳生から、惣三郎は江戸から名古屋に向かい、二年四カ月ぶりの父子の再会である。

物語の主人公が、惣三郎から清之助に徐々に切り替わろうとしている。惣三郎がちょうど五十を迎え、この巻はそのターニングポイントになる作品のように思われる。尾張柳生から五人の遣い手が、清之助の修行する大和の柳生の庄を訪れるなど、見逃せない趣向もあって、楽しめる一編。

ブログ◆
2006-05-10 金杉父子の再会で、物語は最高潮

物語●結衣の異変に気づいたのは母親のしのだった。口数が急に少なくなり、夢見るような表情で思いふけっていた。しのはわが娘の思春期にありがちな微妙な変化を自分の胸のうちだけにしまっておこうとした。そんなある日、結衣が使いに出るといって家を出たまま戻ってこなかった。着替えや貯めていた小遣いも持ち出し、覚悟のうえの家出だった。惣三郎らが調べてみると、旅回りの芝居の一座の後を追ったらしい……。

目次■序章/第一章 掛け取り屋/第二章 結衣の失踪/第三章 柳生の若武者/第四章 十兵衛杉の決闘/第五章 広小路親子舞/解説・井家上隆幸

カバーフォト:中村修
カバーデザイン:中原達治
井家上隆幸:
著者写真撮影:近藤陽介

時代:明記されず。結衣が十五歳になる
場所:車坂、八丁堀、芝七軒町ほかほか

(祥伝社文庫・600円・2006/04/20第1刷・329P)
購入日:2006/05/05
読破日:2006/05/09

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[『完本 密命 巻之十四 遠謀 血の絆』 (祥伝社文庫)]