乱雲 密命・傀儡剣合わせ鏡


乱雲―密命・傀儡剣合わせ鏡〈巻之十二〉 (祥伝社文庫)
乱雲 密命・傀儡剣合わせ鏡
(らんうん・みつめい・くぐつけんあわせかがみ)
佐伯泰英
(さえきやすひで)
[剣豪]
★★★★

お気に入りの「密命」シリーズの第12作目。シリーズの主人公が金杉惣三郎から、息子の清之助にバトンタッチされた記念碑となる作品。回国修行中の金杉清之助は、将軍吉宗のお膝元紀州和歌山で、田宮流の居合道場に身を寄せていた。吉宗憎しの尾張勢に、「吉宗の密偵」との誤解を受けた清之助は、刺客団に襲われる…。

「密命―見参!寒月霞斬り」で、最初に佐伯泰英さんの時代小説に出合ったとき、とても読み味がよく面白く感じられた。その後、多くのヒットシリーズを作られたが、佐伯さんにとって、「密命」シリーズは中でももっとも大切なものの一つのように思われる。シリーズを楽しむための『「密命」読本』もぜひ、読んでみたいところだ。

シリーズもので、主人公を親から子へスムーズに引き継いでくれるのは、ファンにとってうれしい限りだ。父と子というと、池波正太郎さんの『剣客商売』がまず思い浮かぶ。味わいは別だが、「密命」シリーズもファミリーの楽しさがよく出ている。

物語●金杉惣三郎としのは、結納を交わした棟方新左衛門とりくの二人を正客に、お馴染みの面々を招いて飛鳥山の菊屋敷で宴を開いた。同じ頃、新左衛門が逗留していた車坂の一刀流石見銕太郎道場に、旅仕度の若い女がやってきた。陸奥国弘前城下から、新左衛門と所帯を持つために江戸に出てきたという。女の話を聞き不審に思った銕太郎は、極秘に調べることにした…。

目次■序章/第一章 切通しの女/第二章 八寸の徳/第三章 粉河寺の秋/第四章 奥之院詣で/第五章 弄剣合わせ鏡/終章

カバー写真:Joseph Squillante /photonica /amana
カバーデザイン:中原達治
時代:享保八年(1723)九月
場所:飛鳥山、車坂、南八丁堀、本所南割下水、薬研堀、和歌山城下、和歌浦、根来宿、粉河寺、橋本宿、高野山奥之院、大川端、芝片門前町裏ほか
(祥伝社文庫・590円・05/04/20第1刷・330P)
購入日:05/04/26
読破日:05/05/01

Amazon.co.jpで購入

コメント

コメント