道場破り 鎌倉河岸捕物控

道場破り 鎌倉河岸捕物控道場破り 鎌倉河岸捕物控

(どうじょうやぶり・かまくらがしとりものひかえ)

佐伯泰英

(さえきやすひで)
[捕物]
★★★☆☆☆

鎌倉河岸の名代の酒問屋豊島屋に集う、政次、亮吉、彦四郎、しほの四人の青春群像を描く捕物小説シリーズの第9弾。豊島屋は、「山なれば富士、白酒ならば豊島屋」で広く江戸の人々に知られた老舗酒問屋。白酒が名物だが、「鎌倉河岸捕物控」では、上質の下り酒と田楽が売り物の一杯飲み屋を併設していたという設定だ。ちなみに豊島屋(本店)は現在も千代田区猿楽町で営業を続けられていて、「江戸の草分け白酒」、清酒「金婚」、「天上味醂」などが名物である。

『道場破り』のタイトルどおり、今回は政次が通う赤坂田町の直心影流神谷丈右衛門道場に、道場破りが訪問する。乳飲み子を背にした女武芸者永塚小夜である。ショッキングな形で登場した新キャラクターを迎えて、シリーズは新たな展開を見せる。

物語●「第一話 初午と臍の緒」烏森稲荷の初午の見物に来ていた手先の亮吉は、突然年増女に抱きつかれた…。「第二話 女武芸者」金座裏の若親分の政次が通う赤坂田町の神谷道場に、乳飲み子を負った女武芸者永塚小夜が現れた…。「第三話 金座裏の赤子」永塚小夜と赤ん坊の小太郎は、ひとまず金座裏の宗五郎親分の家に引き取られることになった…。「第四話 深川色里川端楼」筆頭与力新堂宇左衛門の嫡男で見習に出ている孝一郎に不審な点があり、宗五郎と政次の二人で密かに探ることになった…。「第五話 渡り髪結文蔵」町役人の役目も負っている髪結床の夫婦と住み込みの見習い職人が殺され、一人娘の行方がわからなくなるという事件が起きた…。

目次■序章/第一話 初午と臍の緒/第二話 女武芸者/第三話 金座裏の赤子/第四話 深川色里川端楼/第五話 渡り髪結文蔵

装画:浅野隆広
装幀:芹澤泰偉

時代:寛政十二年(1800)二月
場所:烏森稲荷、久保町原の御旅所、源助町、金座裏、鎌倉河岸、鐘ヶ淵、赤坂田町、梅窓院、菊坂町、徳右衛門町、深川黒江町、米沢町二丁目、神田多町、北島町、深川永代寺門前町、山本町、新右衛門町、下駄新道、金杉同朋町ほか

(ハルキ文庫・667円・05/12/18第1刷・288P)
購入日:06/01/12
読破日:06/01/17

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