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風雪の檻 獄医 立花登手控え(2)

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風雪の檻獄医 立花登手控え(2)風雪の檻獄医 立花登手控え(2)
(ふうせつのおり・ごくい・たちばなのぼるてびかえ2)
藤沢周平
(ふじさわしゅうへい)
[医術]
★★★★ [再読]

このシリーズの楽しさのひとつに、主人公立花登と彼の叔父一家との関係、とくに従妹おちえとの距離感の変化がある。また、杓子定規な女として描かれる叔母の存在がピリッと利いている。

今シリーズでは、柔術の鴨井道場の柔仲間の新谷弥助の失踪とその動向が背景に描かれていて、連作形式ながら連続性を生んでいる。ちょうど「用心棒日月抄」で赤穂浪士の討入りが描かれていたように。

◆主な登場人物
立花登:獄医
奥野研次郎:鴨井道場の師範代
新谷弥助:本所御竹蔵に住む、登の柔仲間
鴨井左仲:鴨井道場の師
土橋桂順:登の同僚の獄医
捨蔵:六十過ぎの無宿者の囚人
平塚:世話同心
藤吉:八名川町の岡っ引き
直蔵:藤吉の子分
おちか:捨蔵の娘
村谷徳之助:弥助の悪友
おちえ:登の従妹
巳之吉:遠島を言い渡された囚人
おこま:巳之吉の幼馴染
おしん:水茶屋しのぶで働く娘
高瀬甚左衛門:奉行所吟味方与力
房五郎:押し借りの罪で捕らえられ、高瀬に牢問を受ける畳刺し
おつぎ:房五郎の女房
大津屋助右衛門:平右衛門町の筆紙商。妾殺しで入牢する
おゆき:大津屋の娘

物語●「老賊」登は年老いた無宿人の囚人・捨吉に昔棄てた娘の行方を探してくれるように懇願する…。「幻の女」遠島になる男は、行方知れずになった幼馴染の娘を思い続けていたが…。「押し込み」登は、おしんの働く水茶屋で不穏な三人組を見かけた…。「化粧する女」登は、与力の高瀬の常軌を逸した取調べに不審を抱いた…。「処刑の日」妾殺しで入牢した大津屋の死罪を言い渡される日が近づいた…。

目次■老賊|幻の女|押し込み|化粧する女|処刑の日|解説 武蔵野次郎/年譜

カバー装画:小沢良吉
解説:武蔵野次郎
場所:小伝馬町、門前仲町、両国橋
(講談社文庫・466円・83/11/15第1刷・97/02/07第30刷・273P)
購入日:98/07/20
読破日:98/08/15

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