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「【時代小説】2026年10月前半の新刊情報(単行本)」を公開

『さび猫と古道具屋』|中島久枝|ポプラ社

『さび猫と古道具屋』|中島久枝|ポプラ社

2026年10月1日から10月15日までに、単行本(ソフトカバーを含む)で刊行される時代小説の新刊情報をまとめたリスト、「2026年10月前半の新刊(単行本)」を公開しました。

今回の注目作は、中島久枝(なかしま・ひさえ)さんによる謎解き人情時代小説、『さび猫と古道具屋』(ポプラ社)です。本書は文庫サイズではなく、単行本での刊行になります。

著者の中島さんは、2013年、時代小説『日乃出が走る 浜風屋菓子話』で第3回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞。2019年には、「日本橋牡丹堂 菓子ばなし」シリーズと『一膳めし屋丸九』で、日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞しました。

本書は、十四歳の少女を主人公に、謎解きと人情、そしてその成長を描く新たなお江戸時代小説です。

あらすじ

わけあって手習い所に行かれなくなった十四歳の千夏は、さび猫の珠(たま)を連れて叔父の兵次郎のもとで居候させてもらうことに。叔父の営む神田の古道具屋・がらくた屋は少々風変わりな人が出入りする店だった。

ある日、店に高級そうな抹茶茶碗が持ち込まれてから、思わぬ騒動へ。南奉行所に勤めていたはずの千夏の父は「陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに」という和歌だけを残して姿を消していた。父の行方を捜すうちに、千夏は予想外の事件に巻き込まれていく――。

(『さび猫と古道具屋』Amazonの紹介文より抜粋・編集)

ここに注目!

「お宿如月庵へようこそ」「日本橋牡丹堂 菓子ばなし」「一膳めし屋丸九」など、人と人との縁を温かなまなざしで描いてきた中島久枝さん。本書では、神田の古道具屋を舞台に、謎解きと人情を組み合わせた新たな物語が始まります。

古道具は、かつて誰かが使い、誰かが大切にしてきた品物です。持ち主の手を離れ、別の人のもとへ渡っていく古道具には、それぞれに過去があり、人の思いや秘密が刻まれています。そんな古道具をめぐる謎と、そこから浮かび上がる人間模様が、本書の大きな読みどころです。

もう一つ注目したいのが、主人公・千夏の成長です。十四歳という多感な年頃の少女が、古道具屋を訪れるさまざまな人々と出会い、その人生や思いに触れることで、少しずつ自分の世界を広げていきます。

そんな千夏のそばにいるのが、さび猫の珠(たま)。物語の中で珠がどんな存在感を見せてくれるのかも、猫好きには気になるところです。

古道具に秘められた人の思い、江戸の美味、そして少女と一匹の猫。中島久枝さんらしい温かな人情味に、謎解きの面白さを加えた、新シリーズの幕開けです。

今回取り上げた本