武家

武家

「元禄畳奉行」が活躍する時代小説

池端洋介さんの『元禄畳奉行秘聞 幼君暗殺事件』を読んだ。主人公は、五代将軍綱吉の時代から、八代将軍吉宗の時代にかけて、日々克明な日記を書き続けた、尾張藩士の朝日文左衛門(重章)。二十六年八カ月に及んだ、その日記は、『鸚鵡籠中記』と名付けられ...
明治

明治をしたたかに生き抜いた元・御家人の記録

安藤優一郎さんの『幕末下級武士のリストラ戦記』を読んだ。幕末に幕府御徒を務めた山本政恒(やまもとまさひろ)の自分史本「政恒一代記」をベースに、その生涯をなぞり、敗者の視点から幕末・明治をとらえた歴史読み物。幕末下級武士のリストラ戦記 (文春...
武家

天保の改革の暗部を探る、女狂言師の活躍を描く

杉本章子さんの『お狂言師歌吉うきよ暦』を読んだ。お狂言師とは、大名家の奥向きへあがって狂言を披露する者のこと。お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)作者: 杉本章子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/12/12メディア: 文庫この商...
武家

ハラハラドキドキ、やがてジーンの一力ワールド炸裂

山本一力さんの『かんじき飛脚』を読んだ。物語の時代設定は、寛政元年師走。(『損料屋喜八郎始末控え』でも同じ時代が描かれていて、一力ファンには馴染み深い時代。)かんじき飛脚 (新潮文庫)作者: 山本一力出版社/メーカー: 新潮社発売日: 20...
伝奇

アル中の家老が主人公の傑作時代小説

羽太雄平(はたゆうへい)さんの『家老脱藩 与一郎、江戸を行く』を読んだ。『峠越え』『新任家老 与一郎』に続く、「与一郎」の第三弾である。このシリーズの魅力の一つは、主人公が家老という設定。もっとも、第一作の『峠越え』では筆頭家老榎戸弥次郎衛...