2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

芸道

ミステリー

狩野派の奥絵師がヒーロー

翔田寛(しょうだかん)さんの『眠り猫』を読んだ。サブタイトルに「奥絵師・狩野探信なぞ解き絵筆」と付けられているように、徳川家に仕える奥絵師狩野探信守道が主人公。探信は、徳川幕府最初の御用絵師、狩野探幽の直系で、鍛冶橋狩野家の家柄だ。江戸狩野...
戦国

桃山時代は日本のルネサンス

火坂雅志さんの『利休椿』を読んでいる。豊臣秀吉の時代に活躍した文化人を描く短篇集で、一編一編の読み味がよい。利休椿 (小学館文庫)作者: 火坂雅志出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/10/01メディア: 文庫この商品を含むブログ ...
人物

読み終わった後、将棋を指したくなる時代小説

湯川博士さんの『大江戸将棋所 伊藤宗印伝』を読み終えた。江戸中期に活躍した将棋五世名人伊藤宗印の生涯を描く、この時代小説の最大の特徴は、当時の棋譜を33点も掲載し、駒の動きも解説している点だ。リアリティと臨場感に満ち、棋譜を通して、その時代...
江戸

将棋に懸ける男たちを描く時代小説

湯川博士(ゆかわひろし)さんの『大江戸将棋所 伊藤宗印伝』を読み始めた。江戸中期の将棋五世名人伊藤宗印の波乱の生涯を描く異色の時代小説。作者は、『将棋ジャーナル』(休刊)編集長を経て、将棋に関する著書を多数発表されている方で、将棋ペンクラブ...
女性

南画と時代小説

乙川優三郎さんの『冬の標(しるべ)』の主人公明世は、東国の八万石のある藩で、大番頭を務める末高家の長女として生まれる。幼い頃から絵を描くことが好きで、十四歳のときに藩内で南画(なんが)を教える青年絵師岡村葦秋のもとに入門する。南画は自由な心...