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桃山時代は日本のルネサンス

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火坂雅志さんの『利休椿』を読んでいる。豊臣秀吉の時代に活躍した文化人を描く短篇集で、一編一編の読み味がよい。

利休椿 (小学館文庫)

利休椿 (小学館文庫)

作者のあとがきを読んでなるほどと思った。(読書の途中で、あとがきを読んでしまうのは掟破りではあるが…)

 太閤秀吉の世――すなわち桃山時代は、日本のルネサンスと言っていい。麻のごとく乱れた群雄割拠の戦国乱世がようやく一つにまとまり、豪奢かつ豪華な文化が繚乱と花ひらいた時代である。

桃山文化では、出雲の阿国の阿国かぶき、あでやかな絞り染めの辻が花、狩野永徳の障壁画など、絢爛豪華な一方で、千利休の侘茶や長谷川等伯の水墨画や懐石料理など、控えめで洗練された文化も花開いた。その文化の隆盛ぶりはルネサンスという言葉がまさにピッタリだ。

これも、秀吉という派手好きな権力者が文化の庇護をしたことによると思う。晩年の秀吉について政治面では評価できない点が多々あるが、文化の振興という点では貢献が大かもしれない。