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退屈姫君伝

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退屈姫君伝

退屈姫君伝

(たいくつひめぎみでん)

米村圭伍

(よねむらけいご)
[ユーモア]
★★★★☆

プロフィールによると、作者の下の名前は、佳作入選五回をもじり、佳作の「佳」から人偏を「五」に移してペンネームにしている。現代の戯作者ばりの軽快な語り口が楽しい『風流冷飯伝』の第二弾。今回はアンミツ姫(「ローマの休日」のオードリーのようにキュートだ)ばりの新キャラクター・めだか姫が登場。

五十万石の大藩から小藩へ移ってきた、めだか姫が感じるギャップが面白い。とくに小藩ゆえに一つ足りない六不思議の謎をめだか姫が退屈しのぎに解くところが見どころ。

めだか姫のほかにも、笠森稲荷の水茶屋の娘・お仙(幇間一八の妹)、お庭番・倉地政之助、将棋の師匠・天童小文五、老女諏訪などユニークな面々が登場する。

物語●陸奥磐内藩五十万石西条綱道の末娘・めだか姫は、好奇心いっぱいのおてんばな姫君。父の命令で、四国讃岐の風見藩二万五千石の藩主・時羽直重のもとに嫁いだ。それから3ヵ月余り、夫の直重が国許に戻ることになり、めだか姫は留守の江戸邸を守ることになった…。

目次■そもそものはじまり/第一回 あくびとは眠くなくても出るものね/第二回 水茶屋の天女に惚れるお庭番/第三回 小藩はひとつ足りない六不思議/第四回 怪人の頬が震える歩三兵/第五回 鵺が鳴き人魂は舞い賽子は鳴る/第六回 波銭の名月冴える盆の庭/第七回 切餅をほどけば娘あとずさり/第八回 どの門に回れど同じ赤い痣/第九回 古井戸や簪飛び込む水の音/第十回 意次の子はにぎにぎをよく覚え/第十一回 油照り暑さをしのぐ心太/第十二回 化かされて破邪の剣は空を切り/第十三回 市松の生首が浮く蚊帳の外/第十四回 猫ならばネの字の獲物いけどりに/第十五回 白玉の涼爽やかに大団円/これでおしまい

装画・扉絵:柴田ゆう
装幀:新潮社装幀室
時代:宝暦十三年(1763)師走
場所:神田橋外、谷中笠森稲荷、照降町、築地ほか
(新潮社・1,600円・00/04/20第1刷・309P)
購入日:00/04/22
読破日:00/05/09

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