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沖田総司恋唄

[amazon_image id=”4094041117″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]沖田総司恋唄 (小学館文庫―時代・歴史傑作シリーズ)[/amazon_image]
沖田総司恋唄

(おきたそうしこいうた)

広瀬仁紀

(ひろせにき)
[新選組]
★★★★

最近、新選組づいている。いままで血腥い感じがして敬遠していたが、読み始めると新選組はディープだ。尾崎秀樹さんが、新選組と忠臣蔵に共通するものについて触れておられたが、まさに慧眼である。

宿痾ともいうべき労咳と闘いながら、剣一筋に生きた沖田総司の青春を描く時代小説。あとがきで、「従来に確定資料とされていた先達の著述は十数冊を参考としたが、この物語の作中で描いた近藤勇、土方歳三、山崎蒸などの原型は、多くを松本良順の関係文書によって設定したといっていい。単に、作者の想像だけで創作したわけではないのである。したがって、文中で使用したさまざまな書簡、談話あるいは斬奸状、投げ文にいたるまで、いずれも原典によって記述したと自負することができる」と書いているように、ともすると少女マンガ型のヒーローになりがちな沖田総司像をリアリティをもった人物に描きあげている。

ウェットになりすぎず、いつも笑っている総司の明るさが全編に漂い、気持ちよく読めた。とはいえ、沖田総司と少女の心の交流場面などはジーンとくる。スパイ的な役割のせいで、陰気なイメージをもつ山崎蒸が好人物に描かれているのが面白い。

作者は1995年に亡くなられているが、姉妹編として『土方歳三散華』があるので、こちらも読んでみたい。

物語●沖田総司は、十五年も前の近藤勇と土方歳三の逸話を兄弟子の井上源三郎らから聞いて、面白くてたまらないというふうに笑った。ぶすっと苦り切った調子でいる土方のかたわらで、馬鹿笑いをし、平気な顔で無駄口を叩いていた。この若者が誰もが一様に敬遠している土方を兄と思い、近藤勇を父のように慕っていた…。

目次■多摩の河原/剣戟往来/洛中夏冬/慕情仏心/剣鬼の鈴/生々流転/あとがき/解説 高橋千劔破

カバーデザイン:安彦勝博
解説:高橋千劔破
時代:元治元年
場所:府中宿に近い多摩川べり、京・壬生村、三条小橋、天王山、先斗町、西本願寺、不動堂村、東中筋通柳町、江戸・御徒町ほか
(小学館文庫・552円・99/12/01第1刷・290P)
購入日:01/05/12
読破日:01/05/18

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