滅びの将 信長に敗れた男たち

滅びの将 信長に敗れた男たち滅びの将 信長に敗れた男たち
(ほろびのしょう のぶながにやぶれたおとこたち)
羽山信樹
(はやまのぶき)
[戦国]
★★★★

「歴史ピープル」の新聞広告を見てビックリした。「羽山信樹絶筆250枚! 追悼…縄田一男…」 直ちに、書店に奔る。羽山さんの作品は未読だったが、昔、「小説王」(角川書店発行。文庫本サイズであの「帝都物語」も連載されていた)という雑誌が創刊された頃、「流され者」を連載していた頃から気になっていた作家だった。

羽山信樹氏は、1997年6月10日、肝臓癌のために逝去。享年52歳、遅くなりましたが、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

本書のあとがきで、「武将の滅びは城の滅びでもあるとの感を深くする。…本連作はいわば落城記であるかもしれない。」と記している通り、けっこう暗く重たいテーマだ。落城といえば、切腹、処刑、焼死など死がつきもの。作者の死を知った後に読むというのは何ともつらい。

ただし、滅びの将たちが、それぞれ信念を貫いて、出処進退を決めていくので、一服の清涼感があり、救いになっている。

題材を時系列で示すと、
松永久秀焼死、信貴城落城。天正五年十月
荒木村重、有岡城脱出。天正七年九月
別所長治切腹、三木城落城。天正八年一月
吉川経家切腹、鳥取城落城。天正九年十月
清水宗治切腹、高松城落城。天正十年六月

物語●信長および織田軍団によって滅ぼされた武将たちの最期を描く連作。信長に反旗を翻す東播の雄・別所長治、織田軍の花形武将・摂津の荒木村重、ご存知悪名高き松永弾正。そして毛利方の鳥取城主吉川経家、悲運の備中高松城主清水宗治。

目次■第一話 今はただ恨みもあらず―別所長治/第二話 我やさき、人やさき―荒木村重/第三話 ものがたり、御さきあるべく候―吉川経家/第四話 おみなえし、藤袴―松永久秀/第五話 名を高松の苔に残して―清水宗治/あとがき/解説

カバー装画:毛利彰
解説:岡本好古
時代:第一話天正八年、第二話天正十四年、第三話天正九年、第四話慶長十八年、第五話天正十年
舞台:第一話播州、第二話摂津、第三話因幡、第四話大和、第五話備中
(富士見書房・時代小説文庫・600円・92/11/10第1刷、308P)
購入日:97/4/29
読破日:97/9/20

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