2023年時代小説SHOWベスト10、発表!

海を感じる時代小説ベスト10

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海を感じる時代小説ベスト10

「海の日」Special

うだるような暑い日が続き、こんな時は、海にでも行って水に浸かりたくなるのが人情というもの。そこで、久々のベスト10は、「海を感じる時代小説ベスト10」ということで、選んでみた。 


周囲を海に囲まれながらも、海を舞台にした時代小説は意外に少ない。というのも、江戸時代のほとんどを鎖国していたからだ。
そのため、この時代、造船術、航海術が停滞してしまった。羅針盤などの計器がないために、陸地を見ながらの操船のため、遠洋への航海は不可能に近かった。北方謙三さんの『林蔵の貌』に、この辺のことが興味深く描かれている。

海洋小説というと、やはり第一人者は、白石一郎さんだろう。『十時半睡事件帖』シリーズも人気だが、氏の持ち味はやはり海をテーマにした作品群。船に関する描写が素晴らしく、また、海のもついろいろな要素が作品の主題とマッチし、傑作ぞろい。実は調整しなかったら、ベスト10中6、7タイトルが白石作品になるところだった。

順位作品名作家名出版社 
海狼伝白石一郎文春文庫Amazon.co.jpで購入
村上水軍の血筋を引き、対馬で育った笛太郎の青春を描く海洋冒険小説の最高傑作
勇魚(いさな)C.W.ニコル文春文庫Amazon.co.jpで購入
若き頃、捕鯨船に乗った経験をもつ作者の、鯨への愛情がいっぱい詰まった異色の時代小説
陽炎の旗北方謙三新潮文庫Amazon.co.jpで購入
「武王の門」や「林蔵の貌」の海のシーンもいいが、作品における重要度でこちらを選ぶ
戦国海商伝陳舜臣講談社文庫Amazon.co.jpで購入
中国と日本を結ぶ海の王国づくりに青春を捧げる、毛利元就の落胤、佐太郎を描く歴史ロマン
見知らぬ海へ隆慶一郎講談社文庫Amazon.co.jpで購入
徳川水軍の大将向井将監の半生を描く(はず)が、未完に終わる。ああ、残念
竜馬がゆく司馬遼太郎文春文庫Amazon.co.jpで購入
ご存知、海援隊の隊長。実は、海のシーンは意外に少ない。「菜の花の沖」を読もう
黄金海流安部龍太郎新潮文庫
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伊豆大島の波浮の築港工事をめぐり、幕閣に渦巻く陰謀が…。骨太の筆致が冴える時代サスペンス
馬よ波濤を飛べ赤木駿介富士見時代小説文庫Amazon.co.jpで購入
元競馬評論家の氏が放つ、馬+海洋+時代小説。南部藩の若侍が、マカオ、シンガポールまで名馬を求め数千里
秀吉と武吉城山三郎新潮文庫Amazon.co.jpで購入
時代の転換期における、リーダーのあり方を、村上武吉を通して、経済小説の雄が怜悧に描く
10抜け荷百万石南原幹雄新潮文庫Amazon.co.jpで購入
薩摩藩の抜け荷疑惑を解明するべく、公儀隠密が動く。それに海商・銭屋五兵衛がからむ

★おまけ1
勇魚(いさな)
C・W・ニコル
HARPOON by C. W. Nicol
(文春文庫、上下各544円)メッセージボードのところで、少し話題になったので、フォローを。
実は、この本は英語で書かれた時代小説なのだ。村上博基さんが訳されている。この本は、翻訳本や外国文学のコーナーに置かれることが多いので、探すときはご注意を。
幕末、紀州・太地(たいじ)の青年が主人公。太地は、「くじらの博物館」があるように、日本を代表する捕鯨の町だ。

続編として、『盟約』と『遭敵海域』も発行されている。


★おまけ2:
白石一郎海洋小説ベスト10

海狼伝文春文庫村上水軍の血をひき、対馬で育った笛太郎の海洋冒険記
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サムライの海文春文庫砲術家高島秋帆の庶子・蘭次郎の捕鯨に賭けた青春を描く
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海将 若き日の小西行長新潮文庫堺の商人の息子から、戦国大名へ飛翔する小西行長の半生
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海王伝文春文庫「海狼伝」の続編。舞台は明、シナ海とスケールはさらに大きく
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戦鬼たちの海 織田水軍の将・九鬼嘉隆文春文庫信長と出会い、海戦にあけくれる嘉隆の数奇な人生
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黒い炎の戦士徳間文庫超能力軍団黒子と田沼意知率いる白鬼の抗争を描く大河伝奇ロマン
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風雲児読売新聞社シャムで高官にまで出世した山田長政の活躍を描く巨編
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投げ銛千吉廻船帖文藝春秋フリーの船頭が、八寸の銛を手に、船の事件を解決する連作
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(初出1997/07/08、加筆訂正2011/05/19)