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骨喰み 天保剣鬼伝

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骨喰み 天保剣鬼伝
骨喰み 天保剣鬼伝
(ほねばみ・てんぽうけんきでん)
鳥羽亮
(とばりょう)
[剣豪]
★★★★☆

真抜流の遣い手で、大道芸で糊口をしのぐ、島田宗五郎が活躍するシリーズ第2弾。骨喰みの剣を操る強敵が登場。シリーズものの第2作目というのは、本当に難しいと思う。すでに、始末人・蓮見宗二郎や直心影流の毬谷直二郎、小宮山流居合の達人・野晒唐十郎などのヒーローたちを生み出した、鳥羽さんは、いとも簡単にその壁をクリアーしている。

今シリーズの島田宗五郎は、その人物造形が際立って見事である。
そのポイントは、
(1)訳あって脱藩し、浪人になっている。
(2)剣技が際立っている。
(3)独特の価値観をもっている。
(4)子連れ(娘・小雪)を抱えていることでいつもリスクを負っている。
(5)ユニークな仕事で生計を立てている。
といったところか。

こうした強力なヒーロー像に加えて、緊張感ある時代設定(天保時代=鳥居耀蔵の存在)、強力な敵役、個性的な脇役陣など、仕込みも十分。肝心の物語も、もちろん面白い。

物語●西両国広小路で、娘の小雪と“首屋”(獄門台の晒首を真似て、見物人に腕試し・気晴らしに突くなり叩くなりをさせるというもの)という大道芸で糊口をしのぐ、真抜流の達人・島田宗五郎の前に、十六、七歳の武家娘美里が現れ、腕試しをした。美里は、宗五郎が七年前まで属していた、陸奥の彦江藩の大目付高山清兵衛の娘で、清兵衛は斬殺され無念の最期をとげていた。美里は、宗五郎に助力を依頼するが…。

目次■第一章 白鷺/第二章 無念流隠剣/第三章 大道芸人/第四章 益田屋藤四郎/第五章 蓮照院/第六章 誅殺/第七章 敵討ち/解説 菊池仁

カバーイラスト:西口司郎
カバーデザイン:多田和博
解説:菊池仁
時代:天保十三年(1842)
場所:西両国広小路、茅町、相生町、浅草元鳥越町、柳橋、神田佐久間町、諏訪町、平右衛門町、柳原町ほか
(幻冬舎文庫・648円・00/12/25第1刷・340P)
購入日:00/12/16
読破日:00/12/24

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