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新・今川記 戦国幻野

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新・今川記 戦国幻野
新・今川記 戦国幻野
(しんいまがわき せんごくげんや)
皆川博子
(みながわひろこ)
[戦国]
★★★★

今川義元というと、油断していたために桶狭間(JRA中京競馬場のすぐ近くなので今度見に行こう)で信長に討ち取られてしまっ、マヌケな戦国大名のイメージが強い。成田三樹夫さんの公家顔メークが思い出される。

しかし最近、北方謙三さんや安部龍太郎さんの室町時代を舞台にした、作品を読んでいるうちに、今川家って名門じゃないかという意識が芽生えていたので、すんなりと「新・今川記」とサブタイトルについているこの作品の世界に入り込めた。

「神州纐纈城」を彷彿させる、修験者集団の富士教団が登場する。富士のご神体、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)にちなんで「炸耶様」という女装の美少年をあがめるのだが、この辺の扱い方が皆川さんぽくっていい。単なる歴史ものでは済まさないぞって感じが伝わってきていい。

物語●師・九英承菊に伴われて、十二歳の方菊丸、のちの今川義元は、長兄や兄の住む府中へ向かう途中、山伏・小聖と歩き巫女・照日に出会う。突然、巫女は神憑りになり、何か託宣をする…。

目次■一 花の稚児/二 闇の力/三 凶兆/四 初陣/五 血の絆/六 野は悽愴/七 花倉の乱/八 覇者/九 影と光/あとがき

装幀:西のぼる
時代:享禄三年(1530)四月
(講談社・1845円・95/9/25第1刷・410P)
購入日:97/6/10
読破日:97/7/6

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