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江戸の都市計画

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江戸の都市計画江戸の都市計画
(えどのとしけいかく)
童門冬二
(どうもんふゆじ)
[江戸入門]

に移り、企画調整局長や政策室長などを歴任し作家活動に専念した、著者らしい書。しかも、石原慎太郎新知事誕生に合わせてということで、発行者の意図を感じる。

江戸の町がどのように形成され、成熟していったかが明快に解かれている。そこには、家康以来の為政者の理念が刻み込まれることで形作られ、江戸の町人によって町として成熟していくのがわかった。

読みどころ●江戸は一日にして成らず! 太田道灌、家康、〝知恵伊豆〟吉宗、大岡忠相ら、江戸のリーダーたちが〝まちづくり〟にかけた知恵と決断をたどる。

目次■第一章 信長が「岐阜」に托した理念(〝まちづくり〟の目的/周の武王をめざす/画期的な兵農分離/蓬莱山の思想/常世の国をもとめた親房と将門)|第二章 太田道灌の江戸開発(東京の恩人/古河公方に備える/築城の名人/港を活用する/調略で殺された道灌/家康を苦しめた北条氏の治政/北条早雲の「愛民」)|第三章 埋立て地を拠点にした家康のまちづくり(家康入城/強かった平和志向/分断支配の原則/きめ細かい慰撫策/急いだ「知行割り」/「水の道」の整備/開発の総指揮者・本多正信/実験場としての埋立て地)|第四章 新天地に出現した武家の都(江戸城の大拡張整備/新しい富士山/スピード工事でできた江戸城/外国人が見た江戸/巧みな諸機能の分散/武士の居住地/新しいタイプの武士)|第五章 江戸の構造を変えた明暦の大火(火事とけんかは……/死者十万人/失業武士をどうする/川越を復興させた信綱/見送られた天守閣再建/家光と自前の政策官僚/大名屋敷を城外へ)|第六章 〝知恵伊豆〟の「政治都市化」計画(上屋敷、下屋敷/分けられた武士と市民/水野忠邦と遠山金四郎/蛤・あさり事件/保科正之が献策した「三大美事」/水戸黄門と芭蕉)|第七章 吉宗が求めた江戸の健全化(神君の昔に戻る/重農主義と重商主義の二本立て/名君か暗君か/投書でできた小石川養生所/町の俗化部分を除去/桜の名所をつくる)|第八章 防災機能を強化した名奉行大岡(明き地の効用/「いっそ馬場に」/江戸っ子のニーズが町の性格を変える/公認された明き地の転用/夢に終わった不燃都市化)|第九章 江戸っ子の「権利と義務」(大橋の修復/町人に譲り渡された永代橋/権利と義務のけじめ/町年寄の横槍/公共施設の利益者負担/大衆を公衆化する/江戸の交通事故/上水道の再編整備/宗春の吉宗批判)|第十章 三大改革と福祉行政(不況期に行われたまちづくり/定信の七分積立金/鬼平が建議した「更生施設」/定信が始めた「敬老の日」 /天保の改革と忠邦失脚/首都機能をどうする)

装幀:坂田政則
(文春新書・680円・99/04/20第1刷・214P)
購入日:99/04/24
読破日:99/04/29

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