時代小説●文庫新刊情報|2025年10月中旬の新刊(11日→20日)
2025年10月11日から10月20日にかけて文庫で発売される時代小説の新刊情報をお届けします。おすすめの新刊の紹介文は、Amazonの内容紹介より抜粋・編集しています。各タイトルには、Amazon.co.jpの詳細紹介ページへのリンクを設定しています。 →新刊情報リストを見る
講談社文庫
三上幸四郎さんの『蒼天の鳥』
大正十三(1924)年七月、鳥取県鳥取市──。
主人公の田中古代子は、娘の千鳥と共に、活動写真「兇賊ジゴマ」を観るため、鳥取市内の劇場「鳥取座」に向かいます。ところが観劇中に場内で火事が発生。取り残された古代子と千鳥が目にしたのは、煙に包まれる舞台上に立つ「本物」の「兇賊ジゴマ」でした。逃げようとする二人の目前で、ジゴマはひとりの男を刺殺し、姿を消します。命からがら鳥取県気高郡浜村の自宅に逃げ帰った古代子と千鳥でしたが、一息つく間もなく、再び謎の人物に襲われるのです。
果たして、この世に本物のジゴマなどいるのでしょうか──。謎は思いがけない事態へと発展していきます。
鳥取出身の作家・田中古代子をモデルに、友人の女流作家・尾崎翠や、鳥取に流れてきた過激アナキスト集団「露亜党」、関東大震災などを背景に描く、大正期の息吹あふれる歴史活劇ミステリーです。
三國青葉さんの『母上は別式女 3』
別式女筆頭の万里村巴は、馬廻役筆頭の村野小平太とともに、藩の行事に備えて警備の下見をしていました。馬廻役は藩主一族の警護を担い、別式女は藩主の子女の護衛を担当します。そんなライバル関係にある小平太から、巴は彼の役宅に招待されます。しかも、夫の音次郎や息子の誠之助、祖父・源蔵もいっしょにです。いぶかしく思いながらも承諾する巴。音次郎にいたっては、当日の手土産に自慢の料理を持参することになりますが……。
知野みさきさんの『江戸は浅草6 月見の宴』
花見で真一郎が出会った後家の雨音。どうやら周囲では人死にが相次いでいるようです。
雨を降らす天女・天降女子(あもれおなぐ)とも見紛う彼女が殺しているという噂も立ちますが、大介は仲を深めた鈴を尻目に、雨音の家へ通い始めます──(「白雨」)。
流れ着いた六軒長屋での縁が深まった真一郎に、弓師としての大きな依頼が舞い込みます。天降天女に姑獲鳥の噂と、江戸は今日も花盛り。
共感必至の筆致で描かれる、人気シリーズ第6弾です。
双葉文庫
岡本さとるさんの『旗本遊俠伝【二】-姫と賽』
旗本三百石・宝城家分家の厄介次男坊という立場から、千五百石の本家当主へと思わぬ転身を果たした勇之助。
さらには侠客の超大物・黒子屋長兵衛から人物を見込まれ、己が信じた大義を胸に、武士の頭領と侠客の親分という二つの道を歩もうとします。
しかし、先君・左衛門尉豊重の落とし胤で義妹にあたるお辰に降りかかった災難によって、勇之助は絶体絶命の窮地に立たされることになります──。
最強の旗本快男児の活躍を描く、痛快時代シリーズ第二弾です。
篠綾子さんの『芝神明宮いすず屋茶話(三)-鬼火』
芝界隈がにぎわう「だらだら祭り」の季節がやってきました。
お蝶が働く「いすず屋」をはじめ、門前町の店主たちは祭りを盛り上げる策を話し合います。そこへ、ふらりと芝に戻ってきたお蝶の幼なじみ・半七という男が現れ、祭りに欠かせぬ生姜を意外な方法で売ることを提案します。
祭りが始まると半七の策は大当たりし、生姜は飛ぶように売れ、周囲も大喜びしますが、祭りも終盤を迎える頃、芝神明宮の周囲で鬼火騒ぎが頻発します。
門前茶屋を舞台に、義理と人情があふれる時代小説。絶好調のシリーズ第三弾です。
集英社文庫
北方謙三さんの『チンギス紀 十三 陽炎』
モンゴル国のホラズムの皇子ジャラールッディーンは、テムル・メリクやマルガーシとともにサマルカンド近郊でカンクリ族のサロルチニらを交え、調練を行います。そして、ゴール朝との戦いに参加します。
一方、ダライ・ノールでひと冬を過ごしたチンギス・カンは、返礼としてホラズム国に大規模な使節団を派遣します。
使節団はホラズム国のオトラルを経てサマルカンドに向かおうとしますが、オトラルを統治していたのは、アラーウッディーンの叔父でもあるイナルチュクでした。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい






























