時代小説●2025年10月下旬の新刊情報(文庫)

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時代小説●文庫新刊情報|2025年10月下旬の新刊(21日→月末)

2025年10月21日から10月末日にかけて文庫で発売される時代小説の新刊情報をお届けします。おすすめの新刊の紹介文は、Amazonの内容紹介より抜粋・編集しています。各タイトルには、Amazon.co.jpの詳細紹介ページへのリンクを設定しています。 新刊情報リストを見る

創元推理文庫
柳川一さんの『三人書房』
大正8年(1919年)、東京・本郷区駒込団子坂。
平井太郎は、通と敏男の二人の弟とともに《三人書房》という古書店を開きます。
店には、同年に亡くなった女優・松井須磨子の遺書と思しき手紙をはじめ、奇妙な謎が次々と持ち込まれていきます。

同時代を生きた宮沢賢治、宮武外骨、高村光太郎らとの交流や、不可解な事件の顛末を、若き日の平井太郎=江戸川乱歩を通して描く、滋味深い連作推理です。
第18回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む連作集です。

角川文庫
横山起也さんの『続幕末万博騒動』
1867年、パリ万博。
アメリカ人と日本人の間に生まれた朝は、幕府の通詞として同行し、パリの地に足を下ろします。
万博会場では幕府(日本)の出展に加え、なぜか薩摩藩と佐賀藩もそれぞれ独自に出展していました。
展示品は欧州諸国で大いに評判を呼び、連日多くの来場者で賑わっています。

そんな中、菟田免次郎は「織田長益の呼び継ぎ茶碗」の買い手探しに頭を悩ませていました。
ある日、朝と免次郎が街を歩いていると、免次郎が外国人に絡まれてしまいます。
そこへ通りかかったアーサーという気品あふれる若者が助けに入り、なぜか朝は彼に強い関心を寄せられることに――。

「ジャポニスム」の契機ともなったパリ万博を舞台に描く、新感覚の時代小説です。

大平しおりさんの『千住旅籠のお弁当』
大火で奉公先の芝居茶屋が焼け、行き場を失った十八歳の小夜は、母が働く千住の小さな旅籠「梅屋」を訪ねます。
しかし出迎えたのは女将と奉公人だけで、母は火事の様子を見に行ったまま戻っていませんでした。
後日、客の話から母の死を知った小夜は、女将の計らいで梅屋で働き始めますが、不器用な性格ゆえに失敗ばかり。
そんな中、焼け跡から逃れて北へ向かう人々を見て、道中で食べられる弁当を作ってみてはどうかと思いつきます――。
心温まる人情と工夫に満ちた、絶品の時代小説、開幕です。

二見時代小説文庫
江上剛さんの『指物師一太郎なりわい帖1 露見』
長屋の人気者・一太郎は、腕の確かな一介の指物職人です。
指物を通じて人が幸せになれることを願いながら、日々仕事に励んでいます。
ところが、彼の指物にはなぜか使い手の想いが宿るという不思議な力が――。
「殺された宿屋の女将が鏡台の中から睨んでいる」という奇妙な出来事から、物語は動き出します。
捨て置けぬと立ち上がった一太郎と仲間たち。
師匠が遺した指物に刻まれた文字が、ひとりの女の不幸な生い立ちを浮かび上がらせていきます。
人情と謎解きの妙が光る、胸のすく全四話です。

アルファポリス文庫
五月雨輝さんの『剣影、桜下に哭く: 剣客黒須新九郎 城戸家騒動録』
アルファポリス「第9回歴史・時代小説大賞」特別賞受賞作。
ある藩に仕える剣客・黒須新九郎は、突如横領の疑いをかけられ、安寧の日々を奪われます。
その裏には、収賄によって権勢を拡大する筆頭家老・小田内膳の専横がありました。
新九郎は次席家老・大鳥とともに立ち上がり、腐敗を断つための戦いに身を投じます。
藩主・城戸家をめぐる騒動の最中、新九郎の荒んだ心を癒やすのは、黒須家に仕える新顔の女中・りよ。
しかし、りよには誰にも明かせない秘密がありました――。
陰謀と慕情が交錯する、迫力あふれる一大巨編です。

新潮文庫
梓澤要さんの『あかあかや月―明恵上人伝―』
十六歳で出家し、求道のために自ら右耳を切り落とした明恵は、仏道修行に励み、高山寺を開きます。
一世を風靡した法然を糾弾し、承久の乱の敗残兵を匿うなど、権力に屈せず釈迦の教えを貫いたその姿は、まさに純真な魂そのものでした。
気高さと無垢を併せ持ち、仏教史に鮮烈な足跡を残した奇僧・明恵の生涯を、従者イサの目を通して描いた傑作長編です。
文庫化にともない、『あかあかや明恵』を改題しました。

山本一力さんの『ひむろ飛脚』
嘉永六年元日、加賀藩は苦悩していた。毎冬、国許で作り上げた氷を暑い最中の六月一日に将軍家に届ける「氷室氷献上」は、加賀藩の威信を天下に示す最重要行事である。ところが異例の暖冬で、そもそも氷が作れないのだ。氷献上ができなければ、腹を召すだけでは済まされない。苦境を知った加賀藩御用飛脚宿・浅田屋は窮余の一策を絞り出す。飛脚たち最後の激走が胸を打つ、圧巻の時代長編。

!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい

●10月21日発売 マイナビ出版・マイナビ出版ファン文庫
『女用心棒 あやかし討怪録』猫屋ちゃき『女用心棒 あやかし討怪録』
●10月21日発売 中央公論新社・中公文庫
『乱歩心象作品集』江戸川乱歩『乱歩心象作品集』
『海軍めしたき総決算』高橋孟『海軍めしたき総決算』
『明治のナイチンゲール 大関和物語』田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
『馬援』宮城谷昌光『馬援』
●10月22日発売 PHP研究所・PHP文芸文庫
『文蔵2025.11(特集:プロの読み手が選ぶ「PHP文芸文庫」ベスト3)』
→記事:『文蔵 2025.11』特集は、「PHP文芸文庫」ベスト3
「文蔵」編集部編『文蔵2025.11(特集:プロの読み手が選ぶ「PHP文芸文庫」ベスト3)』
●10月22日発売 東京創元社・創元推理文庫
『三人書房』柳川一『三人書房』
●10月22日発売 毎日新聞出版・毎日文庫
『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(一)』澤地久枝『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(一)』
『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(二)』澤地久枝『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(二)』
『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(三)』澤地久枝『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(三)』
『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(四)』澤地久枝『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(四)』
『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(五)』澤地久枝『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(五)』
●10月24日発売 KADOKAWA・メディアワークス文庫
『華族の吸血鬼は穢れの巫女を娶った』つるみ犬丸『華族の吸血鬼は穢れの巫女を娶った』
●10月24日発売 KADOKAWA・角川文庫
『駕籠屋春秋 一』岡本さとる『駕籠屋春秋 一』
『続幕末万博騒動』横山起也『続幕末万博騒動』
『千住旅籠のお弁当』
→記事:「時代小説●2025年10月下旬の新刊情報(文庫)」を公開
大平しおり『千住旅籠のお弁当』
『平安後宮の鬼食い姫 黒弾正と内裏の鬼』真帆路祝『平安後宮の鬼食い姫 黒弾正と内裏の鬼』
『臥竜の天 上』火坂雅志『臥竜の天 上』
『後宮書堂の転生司書 本好きの姫は偽りを紐解く』朝田小夏『後宮書堂の転生司書 本好きの姫は偽りを紐解く』
『邪眼』鈴峯紅也『邪眼』
『歌詠み姫と晴明の鬼弟子 心をほどく和歌、呪いを断つ剣』仲町六絵『歌詠み姫と晴明の鬼弟子 心をほどく和歌、呪いを断つ剣』
『宮中は噂のたえない職場にて 五』天城智尋『宮中は噂のたえない職場にて 五』
『臥竜の天 下』火坂雅志『臥竜の天 下』
『崑崙花街のまじない屋』翁まひろ『崑崙花街のまじない屋』
●10月24日発売 潮書房光人新社・光人社NF文庫
『陸軍中野学校全史 上』斎藤充功『陸軍中野学校全史 上』
●10月27日発売 二見書房・二見時代小説文庫
『大川三つ巴 小料理のどか屋 人情帖45』倉阪鬼一郎『大川三つ巴 小料理のどか屋 人情帖45』
『帰ってきた鬼娘 おてんば剣法ごめんあそばせ2』伊丹完『帰ってきた鬼娘 おてんば剣法ごめんあそばせ2』
『指物師一太郎なりわい帖1 露見』江上剛『指物師一太郎なりわい帖1 露見』
●10月28日発売 アルファポリス・アルファポリス文庫
『剣影、桜下に哭く: 剣客黒須新九郎 城戸家騒動録』
→記事:愛する者と御家の大事、若き剣客は藩内抗争に身を投じる
五月雨輝『剣影、桜下に哭く: 剣客黒須新九郎 城戸家騒動録』
●10月29日発売 新潮社・新潮文庫
『あかあかや月―明恵上人伝―』梓澤要『あかあかや月―明恵上人伝―』
『ひむろ飛脚』山本一力『ひむろ飛脚』