「時代小説●2025年10月中旬の新刊情報(文庫)」を公開

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『蒼天の鳥』|三上幸四郎|講談社文庫

蒼天の鳥(講談社文庫)2025年10月11日から10月20日に刊行予定の文庫新刊情報として、「2025年10月中旬の新刊(文庫)」を公開いたしました。

今回、特に注目したいのは、三上幸四郎さんによる歴史ミステリー小説『蒼天の鳥』(講談社文庫)です。2023年に本作で第69回江戸川乱歩賞を受賞されています。

著者について
鳥取県米子市生まれ。
本作では、同じ鳥取県出身の作家・田中古代子と、その娘で夭折した詩人・田中千鳥を主人公に据えています。
また、三上さんは「名探偵コナン」シリーズの脚本家としても知られています。


あらすじ

大正十三(1924)年七月、鳥取県鳥取市──。
主人公の田中古代子は、女性の地位向上を目指し、「新しい女」の潮流を訴える女流作家です。本格的に作家として活動するため、娘の千鳥とともに鳥取から東京へ引っ越す予定を立てていました。

移住直前のある日、古代子は千鳥と共に、活動写真「兇賊ジゴマ」を観るために鳥取市内の劇場「鳥取座」に向かいます。ところが観劇中、場内で火事が発生。取り残された古代子と千鳥が目にしたのは、煙に包まれる舞台上に立つ「本物」の「兇賊ジゴマ」でした。逃げようとする二人の目の前で、ジゴマは一人の男を刺殺し、逃亡します。命からがら鳥取県気高郡浜村の自宅に逃げ帰った古代子と千鳥でしたが、一息つく間もなく、再び謎の人物に襲われます。

果たしてこの世に「本物のジゴマ」など存在するのでしょうか──。謎は思いがけない事態へと発展していきます。

(『蒼天の鳥』(講談社文庫)Amazon紹介文より抜粋・編集)

ここに注目!
魅力的な物語となっているのは、大正後期から昭和初期に活躍した作家・田中古代子を主人公に据えていることによるところが大きいです。
地方在住では活動の幅が限られることから、東京への転居を計画していた古代子。その娘・千鳥、さらに友人の女流作家・尾崎翠など、実在の人物が登場します。

「ジゴマ」上映中の劇場で起こった殺人事件を、古代子と千鳥の母娘が探偵役となって解き明かしていきます。ミステリーとしての面白さに加え、大正末期の世相を巧みに描いている点も注目です。

一世を風靡し、社会問題となって上映禁止となった活動写真「ジゴマ」や、鳥取に流れ着いた過激なアナキスト集団「露亜党」、そして関東大震災など、激動の大正期を鮮やかに描き出した歴史活劇ミステリーです。

単行本のレビュー

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『蒼天の鳥』|三上幸四郎|講談社三上幸四郎(みかみこうしろう)さんの歴史ミステリー小説、『蒼天の鳥』(講談社)を紹介します。2023年に第69回江戸川乱歩賞受賞作「蒼天の鳥たち」を改題して単行本として発行したものです。本書では、最新の江戸川...
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三上幸四郎|みかみこうしろう|脚本家・ミステリー作家1967年、鳥取県生まれ。慶応義塾大学卒業後、3年間のサラリーマン生活を経て、脚本家になる。テレビアニメ「名探偵コナン」、「電脳コイル」、テレビドラマ「特命係長 只野仁」、「特捜9 Sea...