時代小説★単行本新刊情報|2025年10月の新刊(1日→末日)
2025年10月1日から10月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書、古典日本文学の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。ピックアップした本のあらすじは、Amazon掲載の紹介文から抜粋し、編集しています。
→新刊情報リストを見る
諸田玲子さんの『登山大名』(上・下)
時は四代将軍・家綱の時代です。天下をゆるがした島原の乱の余燼がくすぶり、幕藩体制がまだ盤石ではなかった頃、豊後・岡藩の第三代藩主となった中川久清は、公儀の執拗な締め付けに苦しんでいました。ある日、久清は山中で不思議な娘と出会います。やがて行方をくらませた娘を探し求めるうちに、「中川の誇りを貫いてくれ」と言い残して逝った先代が秘してきた切支丹庇護の痕跡が、次々と明らかになっていきます。そして祈りの場に娘の姿を見つけた時、久清の運命は大きく動き始めるのです。さらに、自らの出生にまつわる壮大な秘密も明らかになっていきます――。なぜ大名はくじゅうの山に登ったのか。見えない敵と戦ってきた大名が目指した理想郷とは何だったのか。
坂井 のどかさんの『砂上の王国』
七世紀、小国でありながらシルクロード交易の要衝であった高昌国は揺れていました。大国ながら新興国である唐につくのか、あるいは強大で荒々しい西突厥と手を組み、この地で独立を貫くのか――。第一皇子の麴智盛は、そのどちらでもなく、西域の国々が手を取り合い、助け合って生き抜くべきだと考えていました。しかし父王の考えは異なり、中華文化をこの乾いた土地に持ち込んだという矜持から、高昌国こそが盟主として立つべきだとし、西突厥と組むことを選びます。砂の海に浮かぶ小さな舟のようなこの国は、時代の荒波をいかにして渡っていくのでしょうか。オリエントの風を感じさせる歴史浪漫が、ここに幕を開けます。
赤神 諒さんの『夏鶯』
鳳となって大空を羽ばたこうと、若き吉備藩士・滝田蓮三郎は岡山城へ出仕します。しかし、ある事情から十七歳にして永蟄居を命じられ、故郷・金谷に戻されてしまいます。それでも蓮三郎は、やがて恩赦が出て再び羽ばたける日が来ると信じていました。ところが無情にも歳月は流れ、次第に世間から忘れ去られていきます。屋敷の離れに暮らし、「大兀僧」と揶揄されながらも菜園作りに励み、文武両道の塾を開き、身分を問わず金谷の人々に学問・医学・剣術を教えていた蓮三郎。そんな彼に十五年ぶりの再出仕が許されますが、その使命はあまりにも過酷な朝命でした。
史実「神戸事件」を題材に、知られざる“ラストサムライ”を描いた幕末時代小説です。
帚木 蓬生さんの『少弐 民に捧げた三百六十年』
少弐氏の名は、平安時代末期に九州の豪族・武藤資頼が大宰少弐という官職に任命されたことに始まります。資頼は当初平家に属していましたが、源平合戦で源氏に投降し、その後は頼朝の家人となり北部九州諸国の守護となりました。二代目当主・資能は元寇で活躍し、少弐氏は筑前・豊前・肥前・壱岐・対馬など北部九州最大の守護となります。その後、鎌倉時代末期には九州に落ち延びてきた足利尊氏に味方し、南北朝時代には肥後の菊池氏と争いました。室町時代になると周防の大内氏が頻繁に攻め寄せ、次第に劣勢を強いられるようになります。そして戦国時代、本拠を肥前南部に移した少弐氏は、大内の侵攻を受け、十五代・冬尚の代に家臣の竜造寺隆信の謀反に遭い、ついに名家として三百六十年にわたり君臨した歴史に幕を下ろすこととなります。
奥山景布子さんの『紫の鯉』
東京一の名妓とうたわれ、大物政治家や歌舞伎俳優から愛された新橋芸者・お鯉。梨園、角界、花柳界で生き抜いたお鯉は、山県有朋の計らいで首相・桂太郎の妾となり、怒涛の人生を歩みます。
日露戦争のさなか、病身の本妻に代わって桂を支え続けますが、お鯉に対する世間の風当たりは厳しいものでした。そんな折、日比谷焼討事件が起こり、桂に認知されていない二人の娘がいることが明らかになります――。
明治・大正・昭和という激動の時代を生き抜いたお鯉の姿を描いた物語です。
★2025/10/15追記
月村了衛さんの『地上の楽園』
取り返しがつかない。何もかも。北朝鮮に来たときから――。
在日朝鮮人帰還事業――1959年に始まったそれは、人類史上最悪の「大量殺戮」への序章でした。
大阪に暮らす二人の若者、孔仁学と玄勇太が体験する「地獄」を通して、日本人の差別感情、そして政府やマスコミが犯した大罪に迫ります。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
| ●10月1日発売 文芸社 | |||||
| 『起凶十郎 髑髏の花嫁』 | 筑波光太郎 | ![]() |
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| 『修羅の華咲け ――頼家暗殺! 元久元年の熱い夏』 | 奥沢拓 | ![]() |
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| 『中條右近 太夫』 | 赤堀寛治 | ![]() |
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| 『わちきを抱いておくんなまし 山東京伝穿ちのものがたり』 | カゼカオル | ![]() |
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| ●10月3日発売 KADOKAWA・角川選書 | |||||
| 『万葉集のたくらみ 行間に仕組まれた聖武天皇の物語』 | 品田悦一 | ![]() |
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| 『中国思想の基礎知識』 | 湯浅邦弘 | ![]() |
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| 『羽柴秀長とその家臣たち 秀吉兄弟の天下一統を支えた18人』 | 黒田基樹 | ![]() |
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| ●10月3日発売 学陽書房 | |||||
| ■ | 『豊臣秀長と豊臣秀吉』 | 野中信二 | ![]() |
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| ●10月3日発売 主婦と生活社 | |||||
| 『鬼と姫君 平安異形絵巻』 | 狭山ひびき | ![]() |
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| ●10月3日発売 図書出版みぎわ | |||||
| 『乱歩ラビリンス: 池袋から人外境まで』 | 立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センター編 | ![]() |
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| ●10月23日発売 静人舎 | |||||
| 『もうひとつの唐人お吉物語』 | 石垣直樹 | ![]() |
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| ●10月3日発売 竹書房 | |||||
| 『5分で深掘り!小泉八雲のホントの怪談 雑学×漫画』 | ラフカディオ・ハーン | ![]() |
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| ●10月3日発売 日経BP 日本経済新聞出版 | |||||
| ★ | 『登山大名 上』 →記事:「時代小説★2025年10月の新刊情報(単行本)」を公開 |
諸田玲子 | ![]() |
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| ★ | 『登山大名 下』 | 諸田玲子 | ![]() |
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| ●10月6日発売 ABCアーク | |||||
| 『歴史人2025年11月号(特集:名字と家紋の日本史)』 | 歴史人編集部 | ![]() |
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| ●10月6日発売 KADOKAWA | |||||
| 『ダ・ヴィンチ 2025年11月号』 | ![]() |
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| ●10月6日発売 PHP研究所 | |||||
| 『歴史街道2025年11月号(特集1「新・三国志」)』 | 『歴史街道』編集部編 | ![]() |
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| ●10月6日発売 郁朋社 | |||||
| 『上海、女の挽歌』 | 江刺家丈太郎 | ![]() |
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| ●10月6日発売 潮出版社 | |||||
| 『手紙文で学ぶ!くずし字・古文書入門』 | 小林正博 | ![]() |
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| ●10月8日発売 郁朋社 | |||||
| 『藤原不比等』 | 橋田惠子 | ![]() |
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| ●10月9日発売 郁朋社 | |||||
| 『津軽じょんがら奮戦記』 | 木村將平 | ![]() |
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| ●10月9日発売 本の雑誌社 | |||||
| 『本の雑誌509号2025年11月号(特集:世界の文学賞を目指せ!)』 | 本の雑誌編集部編集 | ![]() |
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| ●10月10日発売 KADOKAWA・角川新書 | |||||
| 『後宮 宋から清末まで』 | 加藤徹 | ![]() |
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| ●10月10日発売 朝日新聞出版 | |||||
| 『南回り、北回りの遭遇、列島のホモ・サピエンス 新・日本旧石器文化の成立』 | 国武貞克、佐藤宏之 | ![]() |
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| ●10月10日発売 東京創元社 | |||||
| 『紙魚の手帖Vol.25』 | 青柳碧人他 | ![]() |
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| ●10月14日発売 角川春樹事務所 | |||||
| ★ | 『砂上の王国』 | 坂井のどか | ![]() |
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| ●10月14日発売 草思社 | |||||
| 『偉人 大久保利通: 「正解なき時代」のリアリスト』 | 真山知幸 | ![]() |
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| ●10月14日発売 毎日新聞出版 | |||||
| ♪ | 『軍師 秀長(上)』 | 近衛龍春 | ![]() |
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| ♪ | 『軍師 秀長(下)』 | 近衛龍春 | ![]() |
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| ●10月15日発売 平凡社 | |||||
| 『没後70年 坂口安吾 あちらこちら命がけ』 | 県立神奈川近代文学館編 | ![]() |
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| ●10月16日発売 つむぎ書房 | |||||
| 『白石物語』 | かわむら文吾 | ![]() |
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| ●10月16日発売 郁朋社 | |||||
| 『渥美源五郎-頸取り源吾と呼ばれた武士-』 | 渥美斉 | ![]() |
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| ●10月16日発売 講談社・講談社選書メチエ | |||||
| 『〈幕府〉の発見 武家政権の常識を問う』 | 関幸彦 | ![]() |
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| ●10月16日発売 致知出版社 | |||||
| 『自警録』 | 新渡戸稲造 | ![]() |
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| ●10月16日発売 東京図書出版 | |||||
| 『歴史と文学の旅に出よう ─コロナ禍でも安価で楽しめた遊び』 | 磯佳和 | ![]() |
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| ●10月17日発売 集英社 | |||||
| 『小説すばる 2025年11月号』 | 小説すばる編集 | ![]() |
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| ●10月17日発売 集英社・集英社新書 | |||||
| 『宮殿の古代史 飛鳥から藤原、平城、平安へ』 | 海野聡 | ![]() |
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| ●10月17日発売 風媒社 | |||||
| 『小説 岡戸武平 乱歩 わが友』 | 寺田繁 | ![]() |
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| ●10月17日発売 文藝春秋・文春新書 | |||||
| 『永田鉄山の総力戦』 | 川田稔 | ![]() |
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| ●10月18日発売 日本実業出版社 | |||||
| 『シナリオ・センター式 物語のみがき方』 | 新井一樹 | ![]() |
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| ●10月20日発売 東方書店 | |||||
| 『フォルモサを照らす月 山脈を越えた帝国』 | 陳耀昌 | ![]() |
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| ●10月21日発売 中央公論新社 | |||||
| ■ | 『豊臣家の人々(上)』 | 司馬遼太郎 | ![]() |
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| ■ | 『豊臣家の人々(下)』 | 司馬遼太郎 | ![]() |
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| 『蕪村交遊抄』 | 舩橋晴雄 | ![]() |
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| ★ | 『地上の楽園』 →記事:北朝鮮は「地上の楽園」なのか? ある在日朝鮮人家族の物語 |
月村了衛 | ![]() |
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| ●10月21日発売 中央公論新社・中公新書 | |||||
| 『豊臣秀長-「天下人の賢弟」の実像』 | 和田裕弘 | ![]() |
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| 『小説 現代2025年11月号』 | ![]() |
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| ●10月22日発売 新潮社・新潮選書 | |||||
| 『論争 大坂の陣』 | 笠谷和比古 | ![]() |
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| ●10月23日発売 講談社・講談社現代新書 | |||||
| 『古墳時代の歴史』 | 松木武彦 | ![]() |
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| 『シン・関ヶ原』 | 高橋陽介 | ![]() |
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| ●10月22日発売 新潮社 | |||||
| 『小説新潮 2025年 11 月号(特集:明るい絶滅)』 | ![]() |
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| ●10月22日発売 祥伝社 | |||||
| 『小説NON 2025年 11 月号』 | ![]() |
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| ●10月22日発売 文藝春秋 | |||||
| 『オール讀物 2025年 11・12 月号 特集<作家のサバイバル!>&<第105回新人賞発表>』 | オール讀物 | ![]() |
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| ●10月24日発売 あうん社 | |||||
| 『三百本の鑿をもつ絵師 三代南部白雲』 | 平野隆彰 | ![]() |
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| ●10月24日発売 集英社 | |||||
| ★ | 『夏鶯』 | 赤神諒 | ![]() |
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| ●10月27日発売 幻冬舎 | |||||
| 『小説幻冬 2025年 11 月号』 | ![]() |
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| ●10月28日発売 郁朋社 | |||||
| 『請安塾の三傑』 | 曽我史 | ![]() |
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| ●10月28日発売 現代書館 | |||||
| 『作家がスターだった時代: 文春文士劇の四十五年』 | 道又力 | ![]() |
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| ●10月28日発売 草思社 | |||||
| 『光秀、修羅の饗宴: 本願寺戦争異聞』 | 向谷匡史 | ![]() |
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| 『日本史の分岐点』 | 齋藤孝 | ![]() |
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| ●10月29日発売 講談社 | |||||
| ★ | 『少弐 民に捧げた三百六十年』 | 帚木蓬生 | ![]() |
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| ●10月30日発売 新潮社 | |||||
| 『蔦屋重三郎のエロチカ 歌麿の春画と吉原』 | リチャード・レイン | ![]() |
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| ●10月31日発売 徳間書店 | |||||
| ★ | 『紫の鯉』 | 奥山景布子 | ![]() |
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