2023年時代小説SHOWベスト10、発表!

捕物

市井人情

「公事宿事件書留帳」に新キャラクター

澤田ふじ子さんの『無頼の絵師』を読んだ。京の公事宿「鯉屋」に居候する田村菊太郎が難事件を人情味あふれる裁きで解決する「公事宿事件書留帳」シリーズの第十一集である。 無頼の絵師―公事宿事件書留帳〈11〉 (幻冬舎文庫) 作者: 澤田ふじ子 出...
剣豪

愉しいチャンバラ小説の時間は終わり

荒崎一海さんの『孤剣乱斬』を読み終えた。『闇を斬る』シリーズの最新刊だが、3カ月に1作のペースで刊行され、気がつけば7作目になる。主人公鷹森真九郎の振るう弧乱の剣、霧月が、卑劣な悪事の限りを尽くす集団“闇”の頭目・鬼心斎の繰り出す刺客たちと...
市井人情

霊岸島って江戸っぽいなあ

千野隆司さんの『大川端ふたり舟』を読み終えた。『大川端ふたり舟』は、「霊岸島捕物控」とサブタイトルが付けられている通り、霊岸島を縄張りとする岡っ引きの娘・お妙が活躍する捕物小説である。 大川端ふたり舟 (学研M文庫―霊岸島捕物控 (ち-2-...
市井人情

文化三年の大火を描いた時代小説

千野隆司さんの『大川端ふたり舟』を読んでいる。文化三年(1806)三月四日に起きた、江戸の三大大火の一つで、後に「車町の大火」と呼ばれる火事を描いた捕物小説である。 大川端ふたり舟 (学研M文庫―霊岸島捕物控 (ち-2-2)) 作者: 千野...
妖・ホラー

時代考証もしっかりした、ファンタジー捕物帖

畠中恵さんの『ねこのばば』を読んだ。畠中さんは、都筑道夫さんの影響を受けた作家の一人である。そのせいか、都筑さんの捕物シリーズ『なめくじ長屋捕物さわぎ』シリーズに通じる共通点が見られる。 ねこのばば しゃばけシリーズ3 (新潮文庫) 作者:...