市井人情

市井人情

臥煙と呼ばれる火消しを主人公にした時代小説

浅黄斑(あさぎまだら)さんの『衣紋坂の時雨 湯島・妻恋坂ごよみ』を読んだ。浅黄さんは最近注目している時代小説作家の一人。今回は、臥煙(がえん)と呼ばれる定火消の火事場人足が主人公。臥煙は荒くれ者が多くて、只飲み只食いは日常茶飯事で、銭さしを...
市井人情

「闘牛と時代小説」、『万両ノ雪』のあとがきが圧巻

佐伯泰英さんの『万両ノ雪』を読む。NHK木曜時代劇も好評の、人気シリーズ「居眠り磐音 江戸双紙」の第23弾。おこんを連れて豊後関前で、仮祝言をあげて江戸へ戻る途次の坂崎磐音。江戸では、南町奉行所年番方与力の笹塚孫一が六年前に捕縛した盗賊、万...
ミステリー

新キャラクター入れ歯師登場

和田はつ子さんの『すみれ便り』を読んだ。江戸の歯医者さん、口中医の藤屋桂助が治療に推理に大活躍する「口中医桂助事件帖」シリーズの第5弾である。桂助を房楊枝職人の鋼次と医師の娘・志保が助ける三人のチームワークが心温かくなるシリーズに、新しいキ...
市井人情

江戸のおいしい食べ物が出てくる時代小説

宇江佐真理さんの『卵のふわふわ』を読む。「八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし」とサブタイトルが付いていて、各章には「秘伝 黄身返し卵」「美艶 淡雪豆腐」「酔余 水雑炊」「涼味 心太」「安堵 卵のふわふわ」「珍味 ちょろぎ」と食べ物の名前が並び...
お知らせ

松井今朝子さん、直木賞受賞

第137回直木賞が発表されて、松井今朝子さんが『吉原手引草』で3回目のノミネートで見事受賞された。お気に入りの作家で、しかも2003年の第130回の京極夏彦さんの『後巷説百物語』以来の時代小説での受賞なので、たいへんうれしい。吉原手引草作者...