2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

市井人情

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浮世絵師国芳と遠山の金さん

河治和香(かわじわか)さんの『侠風むすめ(きゃんふうむすめ)』を読んだ。河治さんは、『秋の金魚』で第2回小学館文庫小説賞を受賞された、注目の時代小説家。『秋の金魚』では、江川太郎左衛門配下の二人の男の間で、恋に悩む女性を主人公に配して幕末か...
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霊岸島の下り酒問屋を舞台にした捕物小説

千野隆司さんの『新川河岸迷い酒』を読む。『大川端ふたり舟』に続く、「霊岸島捕物控」シリーズの第2弾である。主人公は、霊岸島富島町一丁目に家がある、岡っ引きの五郎蔵。前作では一人娘のお妙を中心に物語が進んだが、今回は五郎蔵の活躍にスポットが当...
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林家正蔵さんが解説を書いた時代小説

和田はつ子さんの『やさぐれ三匹事件帖』を読んだ。和田さんの時代小説といえば、『口中医桂助事件帖』シリーズや『藩医 宮坂涼庵』など、医師を主人公とするもので、捕物小説の中に、江戸の歯科や医療が描かれていて面白く読める。やさぐれ三匹事件帖 (ベ...
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骨董を題材に文明開化の京を描く

火坂雅志さんの『骨董屋征次郎京暦』を読んだ。火坂さんは、2009年のNHK大河ドラマの原作者として注目されていて、戦国時代のヒーローを主人公にした傑作歴史時代小説を多く書かれている。歴史上の人物に現代的な視点からスポットを当ててドラマティッ...
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深川を舞台とした本格市井小説

富樫倫太郎さんの『すみだ川物語 宝善寺組悲譚』を読んだ。富樫さんの作品は未読だったが、『陰陽寮』や『妖説 源氏物語』などの、平安朝を舞台にした伝奇小説で知られる作家である。その富樫さんが、江戸深川を舞台にした物語を書かれたということで、興味...