2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

戦国

北條氏の河越城の合戦を描く歴史時代小説

海道龍一朗(かいとうりゅういちろう)さんの『北條龍虎伝』を読んだ。2006年7月に新潮社より刊行された『後北條龍虎伝』を文庫化にあたり、改題したものだ。徳川家の前に江戸(武蔵国)を統治していたのは北條家である。しかし、長年、東京に住み、箱根...
作家

山本兼一さんが第140回直木賞受賞

山本兼一さんが『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞された。山本さんと担当された編集者、および関係者の皆さんに心より祝福したい。山本さんは、『火天の城』や『戦国秘録 白鷹伝』など、戦国時代の宮番匠(宮大工)や鷹匠といった一流技術者を主人...
ミステリー

利休の恋と死が紡ぐ、時代を動かした美学

山本兼一さんの『利休にたずねよ』(PHP研究所)を読んだ。作者の山本さんは、安土城を作った男を主人公にした『火天の城』で松本清張賞を受賞し、直木賞候補にも選出される、新作が最も注目される時代小説家の一人。戦国時代のテクノクラート(第一級の工...
戦国

信長、秀吉、家康に仕えた、鷹匠一代記

山本兼一さんの『白鷹伝(はくようでん)』を読んだ。武田信玄、浅井長政、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の五人の戦国武将に仕えた鷹匠・小林家次(家鷹)の生涯を描く戦国時代小説である。この作品の素晴らしさは、諏訪流第十七代鷹師(鷹匠を教える師)の田...
ドラマ

向田邦子展と時代劇

世田谷文学館で行われている「向田邦子 果敢なる生涯」の企画展示を見てきた。恥ずかしながら、向田さんの小説もエッセイもちゃんと読んだことはなかったが、展示で生原稿を読み進めるうちにあらためて文章がとても上手いということを実感し、エッセイ集の『...