2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

時代

大正・昭和

空と湖水 夭折の画家 三橋節子

時代小説の名手が描く、昭和四十年代を駆け抜けた女性画家文藝春秋から刊行された、植松三十里さんの長編小説、『空と湖水 夭折の画家 三橋節子』を紹介します。本書は、昭和五十年(1975年)二月、三十五歳の若さで亡くなった伝説の女性画家・三橋節子...
剣豪

迷い熊と千葉の小天狗、卑劣な道場破りに猛る

芝村凉也さんの文庫書き下ろし時代小説、『長屋道場騒動記(四) 迷い熊猛る』(双葉文庫)を入手しました。本書は、心優しき巨躯の剣士「迷い熊」こと、間野生馬が悪を討つ、痛快人情活劇シリーズの第四弾です。いまだ弟子不在とはいえ、無事再開した間野道...
幕末維新

大奥最後の日に、五人の女中は何ゆえ江戸城に残ったのか?

朝井まかてさんの長編時代小説、『残り者』(双葉文庫)を入手しました。本書は、慶応四年(1868)四月十日、徳川家の「江戸城明渡し」の日の大奥を描いた、幕末時代小説です。時は幕末、徳川家に江戸城の明け渡しが命じられる。官軍の襲来を恐れ、女中た...
伝奇

坂田公時vs.酒呑童子――この国にまだ神と鬼がいた頃の物語

矢野隆さんの歴史時代小説、『鬼神(おにがみ)』(中公文庫)を入手しました。本書は、『大江山絵詞』(大江山絵巻)や『御伽草紙』などで流布している酒呑童子の伝説をモチーフにしています。平安時代の長徳元年(995年)に、一条天皇が大江山に住む鬼の...
人物

信義を貫き、幕末を誇り高くも愚直に駆け抜けた、松平容保

植松三十里(うえまつみどり)さんの文庫書き下ろし時代小説、『会津の義 幕末の藩主松平容保』(集英社文庫)を入手しました。本書は、幕末から明治維新の激動期を駆け抜けた、会津藩の最後の藩主松平容保(まつだいらかたもり)の半生を描いた歴史小説です...