[amazon_image id=”4758430365″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]半九郎残影剣 (ハルキ文庫―時代小説文庫)[/amazon_image]
半九郎残影剣
(はんくろうざんえいけん)
(すずきえいじ)
[剣豪]
★★★★
♪『義元謀殺』で注目される新進時代小説家、鈴木さんの剣豪ミステリー。作品中に、架空の地名が幾つか出てきたのが気になった。史実にとらわれずに、自由に登場人物たちを動き回らせたいからであろうか? 主要な舞台となる沼里は、駿河・沼津がモデルと思われる。江戸の町も実在しない町名が見うけられた。
主人公は剣の遣い手(流派は明記されず)ながら、用心棒の仕事中に居眠りしたり、幼なじみで許嫁の奈津を押し倒そうとして引っぱたかれたりと、すぐ油断しやすく調子にのりやすい、うっかり気質のヒーロー。
誘拐事件に、御家騒動が絡み、周りに翻弄されたりと、ハードボイルドなミステリーを思わせるタッチで、最後まで大いに楽しめるエンターテインメント時代小説。第二弾の『半九郎疾風剣』も読んでみたい。
物語●用心棒の里村半九郎は、ごま油を扱う商家・秋葉屋の押しこみを撃退し、許嫁の奈津と穏やかな時間を過したのもつかの間、押しこみ犯の弟から命を付けねらわれ、再び警護についた秋葉屋主人ともども、頭巾姿の二人の侍に襲われたり、剣呑な日々を送っていた。そんなある日、奈津が何者かに、かどわかされてしまった。半九郎は、警護の仕事を放り出して、奈津の探索を始めるが…。
目次■なし