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孤剣 用心棒日月抄

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孤剣 用心棒日月抄孤剣 用心棒日月抄
(こけん・ようじんぼうじつげつしょう)
藤沢周平
(ふじさわしゅうへい)
[武家]
★★★★☆ [再読]

藩の政争に巻き込まれ、人を斬り国を出奔し、江戸で用心棒稼業を務める青江又八郎が活躍する『用心棒日月抄(ようじんぼうじつげつしょう)』。無事帰藩を果たしたと思いきや、その後3カ月余りで、またも脱藩する羽目に。上司の命令ひとつで嫌な役目を押し付けられたり、辞令ひとつで転勤や出向を命じられるサラリーマンの身につまされるような展開だ。

シリーズ第2作目では、おなじみの用心棒仲間の細谷源太夫、口入れ屋の相模屋吉蔵に、愛妻家の痩せ浪人・米坂八内が加わる。また、前作でチラッと登場し、気になる存在だった女忍び佐知と敵役・大富静馬が今回はメインに据えられる。赤穂事件の異聞ともいうべき、前作に比べ、シンプルな構成になっただけに、青江のヒーロー像がよりはっきり前面に出ているように思われる。

物語●青江又八郎は帰藩を果たしたが、藩にはまだ政争の火種が残っていた。執政の中心にいた大富家老は、政敵の間宮中老に陰謀を嗅ぎつけられて、処断されたが、大富の企てに加わった一味の連判状と、手紙類、日記は家老の縁者で東軍流の遣い手である大富静馬によって持ち去られたという。そこで、間宮中老は、又八郎に脱藩して公儀隠密と大富派の眼を欺き、静馬を捜し出して持ち去ったものを密かに取り返すように、命を与えた…。

目次■剣鬼/恫し文/誘拐/凶盗/奇妙な罠/凩の用心棒/債鬼/春のわかれ/解説 向井敏

カバー:村上豊
デザイン:新潮社装幀室
解説:向井敏
時代:元禄十六年(1703)
場所:源介町、神田橋本町、四ツ谷御門外、六間堀、諏訪町、箔屋町、牛込北、三笠町ほか
(新潮文庫・552円・84/11/15第1刷・99/09/25第40刷・392P)
購入日:00/06/11
読破日:00/06/20

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