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正室帰蝶の目線で、信長の天下布武と本能寺の変を描く

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帰蝶諸田玲子さんの長編戦国小説、『帰蝶(きちょう)』(PHP文芸文庫)を入手しました。

帰蝶は、斎藤道三の娘として、織田信長に嫁いでいます。道三が嫡子義龍に殺されてからは、美濃の家臣たちで織田家の家臣となった者も少なくありません。帰蝶は濃姫(美濃の姫)といわれるよう、光秀と並んで美濃衆の拠り所であったように思われます。

帰蝶は、これまでの通説では、本能寺の変より以前に早世したか離縁されたと考えられていました。近年になって、慶長十七年(1612)に信長公夫人が78歳で亡くなったという史料が発見されたとそうです。

本書では、次第に頭角を現すとともに残虐さを増す信長に苦悩しつつ、織田家の奥を取り仕切っていく、戦国の世をしなやかに生きる帰蝶を描いています。

夫・信長が、神をも畏れぬ所業に手を染めていく。歯止めをかけるべく、出身である美濃の家臣たちの期待を一身に背負った正室・帰蝶(濃姫)は、残虐さをあらわにしていく夫に怯えながらも織田家の奥を束ね、したたかに、たくましく生きていく。
そんな帰蝶が心を許せるのは、美濃衆と、心の友とも言えるあの男だった……。
そして起きた本能寺の変――。信長に叛旗を翻したのは、帰蝶の従兄・明智光秀。
光秀に最後の決断を促したのは、一体誰なのか。織田家の要となった帰蝶の運命はいかに。

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『帰蝶』(諸田玲子・PHP文芸文庫)