時代小説 文庫新刊情報
2018年12月の新刊 上(1日→10日)
更新日:2018/12/20
2018年12月1日から12月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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文春文庫の新刊では、伊東潤さんの『天下人の茶』と安部龍太郎さんの『おんなの城』に注目しています。
前者は、茶の湯文化を創出した男・千利休と現世の支配者となった豊臣秀吉との相克を描いています。
後者は、井伊直虎ほか、三人の女の運命を描いた中篇集です。
『「御宿かわせみ」ミステリ傑作選』は、江戸人情ものとして名高い平岩弓枝さんの人気から書評家の大矢博子さんが、ミステリとしても秀逸な作品を7篇厳選しました。
実業之日本社文庫の新刊にも注目しています。
葉室麟さんの『草雲雀』では、愛する者の望みを叶えるため剣を抜いた男の運命が描かれています。
田牧大和さんの『恋糸ほぐし 花簪職人四季覚』は、江戸の花簪職人・忠吉の淡い恋を描いています。
今月いちばんの楽しみは幻冬舎文庫の新刊たちです。
木下昌輝さんの『天下一の軽口男』は、江戸中期に活躍した上方落語の祖・米沢彦八の波瀾万丈の一代記です。
山本巧次さんの『江戸の闇風 黒桔梗 裏草紙』は、「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう」シリーズの著者による、手に汗握る痛快時代小説です。
金子成人さんの『追われもの二 孤狼』は、八丈島から島抜けし江戸に戻った丹次は、追われ者の身ながらも、家業の乾物問屋を潰した兄嫁の行方を追います。
鳴神響一さんの『江戸萬古の瑞雲 多田文治郎推理帖』は、文人・文治郎の名推理が楽しめる人気の時代ミステリの第3弾です。
光文社文庫の新刊も魅力的です。
柏田道夫さんの『面影橋まで』は表紙装画が雰囲気があって素敵で、食指が動きます。
福原俊彦さんの『隠密旗本 荒事役者』は、公儀の手先「影廻衆」として密命を果たす旗本高鳥家の三男坊・三郎太が痛快な活躍をみせるシリーズ2作目です。
小杉健治さんの『其角忠臣蔵』は、俳諧師・宝井其角と赤穂浪士とのかかわりをどのような物語に仕立てるのか興味津々です。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし