2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

武家

伝奇

キリシタン騒動に巻き込まれる旗本与一郎

羽太雄平(はたゆうへい)さんの『転び坂 旗本与一郎』を読みました。『峠越え』、『新任家老 与一郎』(『されど道なかば』を改題)、『家老脱藩 与一郎、江戸を行く』に続く、「与一郎」シリーズの第4弾です。家老の嫡男が若くして家老になり、さらに脱...
剣豪

土井利勝の妄執を両断する、斬馬刀

上田秀人(うえだひでと)さんの『破矛(はぼう)』を読みました。信州松代藩真田家で、斬馬刀を預けられ、本陣に突っ込んでくる敵の騎馬武者を迎え撃つ斬馬衆を務める仁旗伊織が活躍するシリーズ第2弾。斬馬刀は刃渡り七尺(約2.1メートル)、柄までの全...
市井人情

赤穂浪士と近松門左衛門が兄弟!?―『忠臣蔵心中』

師走を迎えると、赤穂浪士の吉良邸討ち入りの日(12月14日。といっても当時は旧暦になるわけだが)がクローズアップされるせいか、忠臣蔵をテーマにした時代小説が読みたくなる。今年は、バタバタしていたせいか、TVを以前ほど見なくなったせいか、12...
伝奇

真田家に伝わる斬馬衆―上田秀人さんの新シリーズ

『斬馬衆お止め記 御盾(ざんばしゅうおとめき・みたて)』は、上田秀人さんの文庫書き下ろしの新シリーズ。三代将軍家光時代の松代藩真田家と幕府との攻防を描いている。この時代の真田家当主は信之。『真田太平記』『獅子』などの真田もので、信之の凄さを...
武家

青に候―センチメンタリズムが魅力の時代小説

志水辰夫(しみずたつお)さんの時代小説『青に候(あおにそうろう)』を読んだ。私が時代小説専門になる以前に、ハードボイルド・冒険小説のジャンルを中心に読んでいた時期があった。その当時(今から二十年前か)、もっとも愛読していた作家が志水さんであ...