ジャンル

市井人情

山形を舞台に面白さが増す、居眠り磐音

佐伯泰英さんの『紅花ノ邨(べにばなのむら)』を読む。「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズの第二十六弾。神保小路の直心影流尚武館佐々木道場に養子に入り、名字が坂崎から佐々木に変わってから、主人公としての重厚感が加わった磐音。物語も青春小説の要素が...
市井人情

幕末の大坂を舞台にした傑作時代小説

城野隆(じょうのたかし)さんの『一枚摺屋(いちまいずりや)』を読んだ。第十二回松本清張賞の受賞作であるこの作品は、幕末の大坂を舞台に、一枚摺屋(瓦版屋)が殺された父の敵を求めて活躍する痛快時代小説。一枚摺屋 (文春文庫)作者: 城野隆出版社...
女性

「妻恋坂」から始まる江戸の女性たちの人生模様

北原亞以子さんの『妻恋坂(つまこいざか)』を読んだ。表題作をはじめとする8編の短編で構成される時代小説短編集。西国の武家の男女の恋の行方を描き、大坂に舞台を置いた「仇討心中」を除くと、いずれも江戸で自立する女性を描いている。妻恋坂 (文春文...
伝奇

スケールが大きな伝奇時代小説『国禁』

上田秀人さんの『国禁』を読んだ。幕府奥右筆組頭の立花併右衛門と、立花家の隣家の次男で剣術遣いの柊衛悟が活躍する「奥右筆秘帳」シリーズの第2作目である。国禁 (講談社文庫 う 57-2 奥右筆秘帳)作者: 上田秀人出版社/メーカー: 講談社発...
江戸

蝦夷をテーマにした時代小説短篇集

6月2日(月)から、勤務先が御茶ノ水になった。江戸時代の切絵図でみると、神田川を挟んでちょうど昌平坂学問所の対岸に位置する。書店の丸善が近く、本の町、神保町へも歩いてすぐという時代小説好きには絶好のロケーションである。とはいえ、引越しやら新...