市井人情

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公事宿事件書留帳 悪い棺(1)

澤田ふじ子さんの「公事宿事件書留帳」シリーズの最新文庫を入手した。シリーズ第九作めにあたる『悪い棺―公事宿事件書留帳〈9〉 幻冬舎文庫』の目次をみると、「黒猫の婆」と「お婆の御定法」という2つの「婆」がタイトルに付いた話が目にとまる。現代社...
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はぐれ牡丹(2)

『はぐれ牡丹 (ハルキ文庫 時代小説文庫)』を読み終え、少しいい気分になった。山本一力さんのお得意の深川を舞台にした、人情味と情感あふれる時代小説だ。ヒロインは、日本橋の両替商の娘ながら好きな男と駆け落ちして、夫と四歳になる息子と貧しいなが...
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はぐれ牡丹(1)

最近、書店めぐりがあまりできなくなり、時代小説の新刊(文庫中心だが)を物色するのに、ネットと新聞広告に頼っている。ネットでは、太洋社という出版物卸売会社(取次と呼ばれる本の問屋)のサイトの文庫発売予定一覧を参考にすることが多い。著者名順、出...
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神田堀八つ下がり―河岸の夕映え(3)

『神田堀八つ下がり―河岸の夕映え (徳間文庫)』に収録された「浮かれ節――竈河岸」は、ハートウオーミングなお話だ。主人公の三土路保胤(みどろやすたね)は、幕府の小普請組に所属する御家人で大の端唄好き。非役で三千石以上の旗本を寄合(よりあい)...
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神田堀八つ下がり―河岸の夕映え(2)

宇江佐真理さんの『神田堀八つ下がり―河岸の夕映え (徳間文庫)』を気持ちよく読み終えた。前作『おちゃっぴい―江戸前浮世気質 (徳間文庫)』に続く、江戸の市井をテーマにしたコンセプチュアルな短篇集。一話一話の登場人物たちは関係しないが、江戸の...