2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

市井人情

市井人情

冬の通勤にピッタリ、じんわりと心が温もる市井小説

今井多美子さんの『寒雀』を読む。武士を捨てて、照降町の書役を務めるようになった喜三次を主人公とする市井小説シリーズの第二弾である。寒雀―照降町自身番書役日誌 (廣済堂文庫)作者: 今井絵美子出版社/メーカー: 廣済堂出版発売日: 2007/...
市井人情

弱い人にやさしい時代小説

北原亞以子さんの『やさしい男』を読んだ。元南町奉行所定町廻り同心森口慶次郎が活躍する「慶次郎縁側日記」シリーズの第七作目(『脇役 慶次郎覚書』を除く)だ。やさしい男―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)作者: 北原亞以子出版社/メーカー: 新潮社発...
市井人情

新人時代小説、伊達虔さんに注目

伊達虔(だてけん)さんの『鳥刺同心 晩秋の稲妻』を読む。蓬田やすひろさんの表紙の装画に惹かれて手に取る。鳥刺同心―晩秋の稲妻 (学研M文庫)作者: 伊達虔出版社/メーカー: 学習研究社発売日: 2007/09/11メディア: 文庫この商品を...
市井人情

深川の美しい光景を切り取った『辰巳八景』

山本一力さんの『辰巳八景』を読む。琵琶湖の南部の美しい光景を詠んだ「近江八景」をベースにしているのかと思っていたら、縄田一男さんの解説によると、長唄の『巽(辰巳)八景』に拠っているそうだ。なお、「近江八景」は明応9年(1500)8月13日に...
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お鳥見女房の珠世さんに癒される

諸田玲子さんの『鷹姫さま お鳥見女房』を読む。お鳥見役の女房で四人の子どもたちの母親でもある、珠世をヒロインとした、連作時代小説の第3弾。鳥見役の裏の任務である隠密の役目を果たして帰還した夫の伴之助は、心に傷を負い、以前の夫とは変わっていた...