2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

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ユーモア

上方落語の祖、米沢彦八の笑いに懸けた波瀾の一代記

木下昌輝さんの長編時代小説、『天下一の軽口男』(幻冬舎時代小説文庫)を入手しました。本書は、江戸中期(元禄~正徳)に上方で活躍した伝説の落語家・米沢彦八(よねざわひこはち)の波瀾の生涯を描いた、500ページを超える長編時代小説です。大坂の生...
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江戸のインフラを造った公共事業家、河村瑞賢の波瀾の生涯を描く

伊東潤さんの長編歴史時代小説、『江戸を造った男』(朝日文庫)を入手しました。河村瑞賢は元和四年(一六一八)に伊勢国度会郡に生まれ、明暦の大火の際に、木曾の材木買占めて財をなした商人です。後世には富商の面ばかりでなく、海運航路を開発したり、大...
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伝説的大関、雷電を主人公にした傑作時代小説

大相撲名古屋場所で、御嶽海(みたけうみ)関が初優勝しました。現在の優勝制度が始まった1909年(明治42年)以降、長野県出身の力士で幕内優勝は初ということで、江戸時代の信濃国出身の伝説的大関の雷電為右衛門(らいでんためえもん)があらためて注...
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希代の英雄か、偏屈な激情家か。西郷どんの二つの顔に迫る

歴史家安藤優一郎さんの『西郷(せご)どんの真実』(日経ビジネス人文庫)が刊行されました。2018年大河ドラマの主人公、西郷隆盛の知られざる人物像に迫る歴史読み物です。『幕末維新 消された歴史―武士の言い分 江戸っ子の言い分』『勝海舟と福沢諭...
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江戸の最先端科学者、渋川春海の半生を描く

冲方丁さんの『天地明察』を読んでいる。碁打ちで算術家の安井算哲こと渋川春海のことは、この本を読むまでほとんど知らなかった。彼が取り組んだ改暦についても何も知らなかった。 改暦の儀。 貞享元年三月三日の今日。ついに帝は、かねてから誤謬明らかな...