元禄の世を生きる三人の若侍

花家圭太郎さんの『青き剣舞(あおきけんばい)』を読み始めた。花家さんは、秋田・佐竹藩の名物男・戸沢小十郎がホラを吹きまくる痛快時代小説『暴れ影法師』など「花の小十郎」シリーズでおなじみの時代小説家。今回は、舞台を元禄の世に移して、三人の若者を登場させている。

青き剣舞(けんばい) (中公文庫)

青き剣舞(けんばい) (中公文庫)

桑原玄二郎は厩方百十石の二男坊、小野寺参徹は納戸方百四十石の三男坊、双田継之進は記録方九十石の二男坊で、いずれも佐竹藩の下士の部屋住みである。参徹は一廉の剣客を目指し、継之進は学問の道を究めるために、それぞれ江戸に出たいと願っていた。目指すものがない玄二郎は、生類憐れみの令が布かれた江戸よりも故郷の山や川に入り浸ることに惹かれていた。

三人の若侍は、仲のよい幼なじみで、何かといえば三人で連れ立っていたので、藩内では小田切道場の三羽烏もしくは佃塾の三羽烏と呼ばれていた。そのうちの玄二郎が、大番頭八百石・茂木玄蕃頭の娘・芙卯の婿に選ばれた。少年から大人の世界に足を踏み入れたことで、三人の関係に変化が……。

描かれている時代がちょうど、浅野内匠頭が江戸城松の廊下で吉良上野介に刃傷した年で、物語は赤穂浪士の討ち入り事件とも関係していくようで楽しみだ。

暴れ影法師―花の小十郎見参 (集英社文庫)

暴れ影法師―花の小十郎見参 (集英社文庫)