時代小説★単行本新刊情報|2025年5月の新刊(1日→末日)
2025年5月1日から5月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書、古典日本文学の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。ピックアップした本のあらすじは、Amazon掲載の紹介文から抜粋し、編集しています。
→新刊情報リストを見る
藍銅ツバメさんの『馬鹿化かし』
刀のような速さでの斬りと、罪人の斬首を生業としている山田朝右衛門は、死に取り憑かれていました。師匠、思い人、兄弟子……大切な人々を次々に失い、荒れ果てた屋敷でただひとり、自らの寿命が尽きるのを待ちながら、お役目だけの日々を送っていたのです。
そんな無聊な日々の中、あり得ないことが起こります。ひとりの罪人の斬首を、なんと失敗してしまったのです。服部半蔵を名乗り、身軽に逃げ去ったその男は、不老不死であり、斬られた首さえ再生させるというのです。しかも、その顔は他人からは記憶に残らないのに、朝右衛門には半獣のように見えていました。
屋敷に転がり込んできた半蔵は、「300年前からあなたを知っている」と言い出しますが……。
安倍晴明の子孫、沖田総司、土方歳三、吉田松陰といった幕末の激動を生きた人々との交流、そして死神との対決。その末に、朝右衛門がつかんだものとは――。
幕末怪異ファンタジー、堂々登場です。
青柳碧人さんの『乱歩と千畝:RAMPOとSEMPO』
探偵作家と外交官。若き二人が友となり……。斬新な発想で描かれる、波瀾万丈の物語です。
大学の先輩・後輩であった江戸川乱歩と杉原千畝。彼らは、まだ何者でもない青年でしたが、夢だけは抱いていました。希望と不安を胸に、浅草の猥雑な路地を歩きながら語り合い、やがてそれぞれの道を歩んでいきます。
若き横溝正史や、巨頭・松岡洋右との出会いを経て、新たな歴史を切り開いていく二人。交差する人生の果てに迎える感動の最終章とは――。
「真の友人はあなただけでしたよ」――涙を誘う傑作です。
高瀬乃一さんの『往来絵巻 貸本屋おせん』
文化年間の江戸・浅草。主人公は、女手ひとつで貸本屋を営む〈おせん〉です。謎があると、つい首を突っ込んでしまう“事件を呼ぶ本の虫”でもあります。
表題作「往来絵巻」では、神田明神祭りが舞台となります。宝くじが当たるよりも稀でありがたい、特別な「行列」を出すことになった与左衛門は、「我らの偉業を絵として残そう」と提案します。金に糸目をつけず、一年待ってようやく完成した祭礼絵巻――しかし、そこには一人足りない人物が描かれていませんでした。消えた「あいつ」はいったい何者なのか。〈おせん〉の推理が冴えわたります。
蔦屋重三郎を巻き込んだ江戸出版界を揺るがす謎、〈おせん〉の父の死の真相、そして本仲間で絵師の「燕ノ舎」の最期まで……。
ほんの少しビターで、心温まる、本好きにはたまらない一冊です。
森詠さんの『川は流れる』
時は幕末。北関東の清流・那珂川が流れる黒羽藩で、青年下士・板倉誠之介は育ちました。彼の養父・主水丞は、かつて百姓一揆に同調したことで、一家は厳しい暮らしを余儀なくされていましたが、誠之介の心には、民を思い、信念をもって立ち向かう侍への憧れが芽生えていきます。
やがて藩は他藩から新たな藩主を迎えることになり、不正を働く家老の権力に対する憤りが家臣たちの間に広がり、藩政改革の機運が高まっていきます。城代の息子・浄法寺高俊との激しい対立、幼なじみ・加代との淡い再会、そして養父の不審な死――数々の出来事が重なるなかで、誠之介は幕府が終焉を迎える時代のうねりと向き合っていきます。
彼が目指すのは、ただの武士としてではなく、民のために生きること。
その熱い志を胸に、安穏な日々を超えて、ただ鮮烈に生き抜いていきます。
北関東の豊かな四季を背景に、芳醇な日本語で描かれる、人生の意味を問う物語。
著者渾身の一冊です。
宮城谷昌光さんの『三国志名臣列伝 呉篇』
勇敢な父・孫堅と兄・孫策の志を継ぎ、長江流域に広大な王朝を築いた孫権。
彼は大国「魏」と対峙し、あの「赤壁の戦い」に勝利しました。
本書では、周瑜、魯粛、張昭をはじめ、この「呉」の国を支えた名臣たちに、新たな光をあてています。
1800年の時を越えて初めて明かされる真実とは――。
著者が長年取り組んできたライフワークともいえる「三国志名臣列伝」シリーズ、堂々の完結編です。
木内昇さんの『奇のくに風土記』
若き本草学者が出会う、不思議に満ちた生きものたち――。心震える時代幻想譚です。
紀州藩士の息子・十兵衛(後の本草学者・畔田翠山は、幼いころから草花とは自由に語らうことができましたが、人と接すると言葉がうまく出てこない少年でした。
ある日、草花の採取に出かけた山中で「天狗(てんぎゃん)」と名乗る者に出会ったことをきっかけに、面妖な出来事が次々と身の回りで起こり始めます。
若き本草学者が、生き物や家族、恩師との温かな交流のなかで成長していく姿を描いた、感動の時代幻想小説です。
岡本好貴さんの『電報予告殺人事件』
時はヴィクトリア朝。チャーチゲート電信局で十年にわたり研鑽を積んだ女性電信士、ローラ・テンパートンは、結婚と職業のキャリアの狭間で日々悩んでいました。
ある晩、局長アクトンを訪ねてきた甥・ネイト・ホーキンスと出会いますが、直後、アクトンは密室内で遺体となって発見されます。警察は遺産相続人となったネイトに疑いの目を向けますが、彼の無実を信じたローラは、自らの職能を活かして真犯人を追い始めます。
黄金期本格ミステリの魅力を現代に蘇らせる、第33回鮎川哲也賞受賞の第一作です。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
●5月1日発売 Gakken | |||||
『真田十勇士』 | 田中創 | ||||
●5月1日発売 祥伝社・祥伝社新書 | |||||
『戦国史のミカタ』 | 本郷和人 | ![]() |
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●5月1日発売 文芸社 | |||||
『二つの源氏物語』 | 中川万里男 | ![]() |
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『日本はなぜ幕末に欧米の植民地にされなかったのか ―その理由―』 | 児玉敏昭 | ![]() |
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『天の神様に尼子家の願いを祈られた山中鹿介幸盛』 | 徳田保周 | ![]() |
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『冥官小野篁 ―『大怨霊 橘逸勢』を裁く―』 | 与毛星和 | ![]() |
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『老舗の大番頭』 | 白都春美 | ![]() |
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●5月1日発売 論創社・論創ノベルス | |||||
■ | 『清吉捕物帖』 | 三好一光 | ![]() |
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●5月7日発売 ABCアーク | |||||
『歴史人2025年6月号』 | 歴史人編集部 | ![]() |
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●5月7日発売 KADOKAWA | |||||
『ダ・ヴィンチ 2025年6月号(第1特集:作家生活25周年 伊坂幸太郎)』 | ![]() |
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●5月7日発売 KADOKAWA・角川選書 | |||||
『羽柴秀吉とその一族 秀吉の出自から秀長の家族まで』 | 黒田基樹 | ![]() |
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●5月7日発売 PHP研究所 | |||||
『歴史街道2025年6月号(特集1「シベリア出兵と日ソ戦争」)』 | 『歴史街道』編集部編集 | ![]() |
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●5月7日発売 ワン・パブリッシング | |||||
『歴史群像 2025年6月号(第一特集:扶桑型・伊勢型戦艦)』 | |||||
●5月7日発売 朝日新聞出版・週刊朝日ムック | |||||
『歴史道 Vol.39(特集:聖徳太子の真実)』 | 朝日新聞出版編集 | ![]() |
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●5月8日発売 下野新聞社 | |||||
『駅伝大帝 壱』 | 鋏海老治郎 | ![]() |
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●5月8日発売 彩流社 | |||||
『赤富士と応為、そしてボストンの男たち』 | キャサリン・ゴヴィエ | ![]() |
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●5月9日発売 集英社 | |||||
★ | 『馬鹿化かし』 | 藍銅ツバメ | ![]() |
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●5月10日発売 KADOKAWA・角川新書 | |||||
『ポピュリスト・ナポレオン 「見えざる独裁者」の統治戦略』 | 藤原翔太 | ![]() |
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●5月13日発売 新典社・新典社選書 | |||||
『物語としての紫式部』 | 廣田收 | ![]() |
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●5月13日発売 朝日新聞出版・朝日新書 | |||||
『オカルト武将・細川政元 室町を戦国に変えた「ポスト応仁の乱の覇者」 』 | 古野貢 | ||||
●5月14日発売 新潮社 | |||||
★ | 『乱歩と千畝:RAMPOとSEMPO』 | 青柳碧人 | ![]() |
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●5月14日発売 文藝春秋 | |||||
★ | 『往来絵巻 貸本屋おせん』 →記事:「時代小説★2025年5月の新刊情報(単行本)」を公開 |
高瀬乃一 | ![]() |
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●5月14日発売 本の雑誌社 | |||||
『本の雑誌504号2025年6月号(特集:変な小説!)』 | 本の雑誌編集部編集 | ![]() |
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●5月15日発売 文藝春秋 | |||||
『江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす』 | 與那覇潤 | ![]() |
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●5月16日発売 東京図書出版 | |||||
『東洲斎』 | 川端光徳 | ![]() |
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●5月16日発売 文藝春秋・文春新書 | |||||
『徳川将軍の側近たち』 | 福留真紀 | ||||
●5月19日発売 くもん出版 | |||||
『解きながら楽しむ 大人の古典名作 三大随筆編』 | ![]() |
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●5月19日発売 平凡社・平凡社新書 | |||||
『影の日本史にせまる: 西行から芭蕉へ』 | 嵐山光三郎、磯田道史 | ![]() |
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●5月20日発売 ワニブックス | |||||
『陸将、海将と振り返る 昭和の大戦 – クリティカルシンキング』 | 小川清史、伊藤俊幸他 | ![]() |
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●5月20日発売 理論社 | |||||
『コーリャと少年探偵団: ドストエフスキー作『カラマーゾフの兄弟』より』 | 柳広司 | ![]() |
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●5月21日発売 EYEDEAR | |||||
『書くしか。: 書くしかないひとたちによるエッセイ集』 | 百百百百 | ![]() |
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●5月21日発売 新潮社・新潮選書 | |||||
『外務官僚たちの大東亜共栄圏』 | 熊本史雄 | ![]() |
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『荷風の昭和 前篇:関東大震災から日米開戦まで』 | 川本三郎 | ![]() |
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『荷風の昭和 後篇:偏奇館焼亡から最期の日まで』 | 川本三郎 | ![]() |
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『日本政治思想史』 | 原武史 | ![]() |
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●5月22日発売 岩波書店・岩波新書 | |||||
『和菓子の京都 増補版』 | 川端道喜 | ![]() |
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●5月22日発売 実業之日本社 | |||||
『マンガでわかる! 韓国時代劇のすべて』 | 康熙奉 | ![]() |
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●5月22日発売 祥伝社 | |||||
『小説NON 2025年 06 月号』 | |||||
●5月22日発売 新潮社 | |||||
『小説新潮 2025年6月号』 | 小説新潮編集部編集 | ||||
●5月22日発売 中央公論新社・中公新書 | |||||
『明治維新という物語-政府が創る「国史」と地域の「記憶」』 | 宮間純一 | ||||
●5月22日発売 本の雑誌社 | |||||
♪ | 『断捨離血風録: 3年で蔵書2万5千冊を減らす方法』 | 日下三蔵 | ![]() |
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♪ | 『古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸』 | 小山力也 | ![]() |
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●5月26日発売 風詠社 | |||||
『龍の血脈: 越後長尾戦記』 | 日向瑞希 | ||||
●5月27日発売 双葉社 | |||||
『小説推理 2025年7月号』 | 双葉社編集 | ||||
●5月28日発売 小学館 | |||||
★ | 『川は流れる』 | 森詠 | |||
●5月28日発売 文藝春秋 | |||||
★ | 『三国志名臣列伝 呉篇』 | 宮城谷昌光 | ![]() |
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●5月29日発売 講談社 | |||||
『空海』 | 安藤礼二 | ||||
●5月29日発売 実業之日本社 | |||||
★ | 『奇のくに風土記』 | 木内昇 | ![]() |
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●5月29日発売 新潮社 | |||||
♪ | 『去年、本能寺で』 | 円城塔 | |||
♪ | 『皇后の碧』 | 阿部智里 | ![]() |
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●5月30日発売 東京創元社 | |||||
♪ | 『電報予告殺人事件』 | 岡本好貴 |
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