青春

市井人情

老舗料理屋の、風変わりな跡取り息子が始めた「よろず相談屋」

野口卓(のぐちたく)さんの文庫書き下ろし時代小説、『なんてやつだ よろず相談屋繁盛記』(集英社文庫)を入手しました。小さい時の大病で三日も高い熱を出したことのせいで、時々記憶がスッポリ抜け落ちることがある一方で、生き物の声が聞けるという特異...
ドラマ

蘭学者緒方洪庵が主人公の捕物小説がNHK土曜時代劇に

築山桂(つきやまけい)さんの『緒方洪庵 浪華の事件帳 禁書売り』を読んだ。江戸時代の大坂を舞台にした時代小説で注目される築山さんの初期の作品である。2001年4月に島影社から単行本で刊行され、長年探し求めていた作品が、双葉社から文庫化された...
市井人情

深川が舞台にした大長編市井小説

江戸深川を舞台にした市井小説は多いが、富樫倫太郎さんの「すみだ川物語」のように3巻(『宝善寺組悲譚』『切れた絆』『別れ道』)で構成される、大長編のものは珍しい。ページ数が多い分、隅田川(作中では「すみだ川」となっている)沿いの裏長屋で暮らす...
武家

江戸前期を舞台にした無茶勘シリーズが面白い

浅黄斑(あさぎまだら)さんの『残月の剣』を読んだ。越前大野藩の藩士落合勘兵衛を主人公にした「無茶の勘兵衛日月録」シリーズの第三弾である。幼い頃から無鉄砲な行動が多くて、「無茶の勘兵衛」と呼ばれた、越前大野で知らぬ者がいないという落合勘兵衛は...
武家

「無茶の勘兵衛」シリーズ第二弾

浅黄斑さんの『火蛾の舞』を読み始めた。『山峡の城』に続く「無茶の勘兵衛」シリーズの第2弾である。浅黄さんはミステリー畑の人だが、このシリーズの前作や『芭蕉隠密伝―執心浅からず』などの時代小説も気に入っている。主人公のキャラクター造形がしっか...