市井人情 江戸の数学と愛をテーマにした傑作時代小説 鳴海風(なるみふう)さんの『円周率を計算した男』を読んだ。10年ぐらい前に単行本で刊行されたときに読んでいるが、例によってストーリー展開など細部の記憶がすっかり抜け落ちていたので、初めて読むような感じで面白く読めた。鳴海さんは、1992年に... 2020.05.19 市井人情江戸芸道
江戸 山手樹一郎ワールドへ誘う痛快な時代小説 鳴海丈(なるみたけし)さんの『ぼんくら武士道』を読んだ。鳴海丈さんというと、大人向けの時代小説の書き手というイメージがあって、その作品を今までほとんど読んでこなかった。しかしながら、PHP文庫の書き下ろし時代小説としてリリースされた本書は、... 江戸痛快
女性 榎本武揚を愛した女性通詞を描く時代小説 宇江佐真理さんの『アラミスと呼ばれた女』を読んだ。アラミスは、アレクサンドル・デュマの『三銃士』の登場人物で、女性的な人物として描かれている。本書の主人公お柳は、榎本釜次郎(後の武揚)の命により、男装をして、幕府洋式軍隊を指導するフランス軍... 女性幕末維新
江戸 江戸時代の絵師を題材にした珠玉の短篇集 葉室麟(はむろりん)さんの『乾山晩愁(けんざんばんしゅう)』を読んだ。葉室さんは、表題作の「乾山晩愁」で2005年第29回歴史文学賞を受賞してデビューし、2007年『銀漢の賦』で第14回松本清張賞を受賞した新進気鋭の時代小説家。乾山晩愁 (... 2020.05.02 江戸芸道
武家 浪人たちのクーデター「慶安の変」を描く新視点時代小説 犬飼六岐(いぬかいろっき)さんの『叛旗は胸にありて』を読んだ。犬飼さんは、2000年「筋違い半介」で第68回小説現代新人賞を受賞し、デビューした、今注目の時代小説家の一人。愛犬の名前がロッキーでその飼い主さんということからペンネームを付けら... 2020.05.15 武家江戸