2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

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“風の市兵衛”は、やくざの抗争に巻き込まれた美人三姉妹を助けられるか

辻堂魁さんの『夕影 風の市兵衛』(祥伝社・祥伝社文庫)は、“算盤侍”唐木市兵衛が活躍する、大人気シリーズの第13作です。渡り用人を生業にする“算盤侍”唐木市兵衛は、旗本の三宅庄九郎の依頼で、普化宗に入宗した末に病死したらしい末息子の消息を調...
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第153回直木賞候補の澤田瞳子さん編集による大江戸「猫」小説

『若冲』が第153回直木賞候補作品に選ばれた、澤田瞳子さんの編集による時代小説アンソロジー、『大江戸猫三昧 時代小説傑作選』(徳間文庫)を読みました。収録作品は全10編。いずれも物語の中で、猫が主要な役割を演じています。岡本綺堂「猫騒動」(...
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江戸妖怪小説の新星、現る!三味線をかき鳴らして魔物退治。

仲野ワタリさんの『ざしきわらわら 猫手長屋事件簿』(白泉社招き猫文庫)は、ぐうたら大家と祓い猫が江戸の魔物退治を退治するシリーズ第2作です。代三郎は、仕事もせずに一日中好きな三味線ばかり弾いているぐうたらな大家。しかし、その一方で、故郷の郷...
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江戸の商店街「風待ち小路」で繰り広げられる人情小説の逸品

志川節子(しがわせつこ)さんの『春はそこまで 風待ち小路の人々』(文春文庫)は、江戸の小さな商店街「風待ち小路」に集まっている店を舞台にした市井人情小説です。第148回(2012年下期)の直木賞候補作でもあります。芝神明社にほど近い「風待ち...
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血の臭いがする男がやってきた…。不思議な能力をもつ娘おいちは男を救えるのか

あさのあつこさんの『闇に咲く おいち不思議がたり』(PHP研究所)は、不思議な能力をもつ娘おいちが活躍する、青春「時代」ミステリー・シリーズの第3弾です。江戸深川・六間堀町の菖蒲長屋で町医者をやっている藍野松庵と娘おいちとのもとに、血の臭い...