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大地震に襲われた江戸の町を、新米同心が駆ける捕物小説

『連鎖』『ホワイトアウト』『奪取』など現代ミステリーや冒険小説で活躍されている、真保裕一(しんぽゆういち)さんの『猫背の虎 大江戸動乱始末』は、安政の大地震に襲われて、被災した江戸の町を舞台にした時代小説です。安政二年、大地震が江戸を襲った...
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徳川260年の平和の礎を築いた家康を描く、火坂雅志さんの遺作

今年2月に急逝した、火坂雅志さんの『天下 家康伝(上・下)』(日本経済新聞出版)を読みました。石田三成に仕えた武将・島左近を描いた『左近(上・下)』とともに、遺作になります。家康は、幼くして父を亡くし、母と生き別れ、果ては銭一千貫で売られる...
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水野忠邦に対抗する、御用絵師で暗殺者・一丸の活躍と葛藤

あかほり悟(さとる)さんの『御用絵師一丸 藍の武士』(白泉社招き猫文庫)を読みました。前の将軍家斉の正室・広大院に仕える絵師一丸(ひとまる)の暗殺者としての裏の役目での活躍と葛藤を描くシリーズ第二弾です。天保の改革を推し進める水野忠邦は、諸...
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旧薩摩藩士村田新八を主人公に、西郷と西南戦争を描く歴史長編

伊東潤さんの『武士の碑(いしぶみ)』(PHP研究所)を読みました。西郷隆盛・大久保利通の後継者と目され、薩摩、そして日本の将来を託された男・村田新八を主人公に、西南戦争を真正面から描いた長編小説です。本書は、戦国時代小説で活躍している伊東さ...
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絶世の美少女が一夜にして醜い老女へ変貌、幻想的な戦国時代小説

越水利江子(こしみずりえこ)さんの『うばかわ姫』(白泉社招き猫文庫)を読みました。十九歳の野朱(のあけ)は、東国へ嫁入りの旅の途中、琵琶湖の畔で、夜盗の一団に襲われ逃げる。淵で出会った老女と小袖を交換し、窮地を助けられる。ところが、老女が貸...