2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

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百姓から武士への夢を叶えた出世侍の前に、邪魔者現る

千野隆司さんの『出世侍(二) 出る杭は打たれ強い』を入手しました。異例の出世をする若者藤吉が活躍する、青春時代小説シリーズの第2作目です。百姓からあこがれの武士へと出世した藤吉に、小姓として俸禄と姓が与えられた。ある日、奉公先である旗本の永...
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相撲まで取る“算盤侍”の優しさと強さが心に沁みる

辻堂魁さんの『秋しぐれ 風の市兵衛』。本作はシリーズ14作目になります。廃業した相撲取り・鬼一磯之助がひっそりと江戸に戻ってきた、かつて土俵の鬼と呼ばれ、大関昇進を目前にした人気者だったが、やくざとの喧嘩のとばっちりで江戸払いとされていた。...
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2015年時代小説ベスト10【文庫書き下ろし部門】、公開

年末が近づいてきましたので、「時代小説SHOW」版の2015年時代小説ベスト10【文庫書き下ろし部門】を公開しました。宝島社の『この時代小説がすごい! 2016年版』に、ベスト6までを発表しておりましたので、未発表の7位から10位までを追加...
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大地震に襲われた江戸の町を、新米同心が駆ける捕物小説

『連鎖』『ホワイトアウト』『奪取』など現代ミステリーや冒険小説で活躍されている、真保裕一(しんぽゆういち)さんの『猫背の虎 大江戸動乱始末』は、安政の大地震に襲われて、被災した江戸の町を舞台にした時代小説です。安政二年、大地震が江戸を襲った...
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徳川260年の平和の礎を築いた家康を描く、火坂雅志さんの遺作

今年2月に急逝した、火坂雅志さんの『天下 家康伝(上・下)』(日本経済新聞出版)を読みました。石田三成に仕えた武将・島左近を描いた『左近(上・下)』とともに、遺作になります。家康は、幼くして父を亡くし、母と生き別れ、果ては銭一千貫で売られる...