時代小説●文庫新刊情報|2024年12月上旬の新刊(1日→10日)
2024年12月1日から12月10日に文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。各タイトルの詳細はAmazon.co.jpの紹介ページからご覧いただけます。
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★2024/12/2追記
実業之日本社文庫
花房観音さんの『京都伏見 恋文の宿』
季節が移ろう幕末の京都。伏見にある旅籠「月待屋」には、不思議なほど人の心を動かす手紙を書く代筆屋、「懸想文(けそうぶみ)売りさま」がいると言われています。秘められた恋、断ち切れぬ親子の情、戦国の世にさかのぼる先祖の因縁――人々はそれぞれの想いを胸に月待屋を訪れます。京の四季の移ろいと切ない人間ドラマを、しっとりとした筆致で描き出した心温まる人情時代小説です。
文春文庫
林真理子さんの『李王家の縁談』
美貌と聡明さで知られる梨本宮伊都子妃。愛娘・方子を皇太子妃にと望むもそれは叶わず、朝鮮の王世子・李垠との縁談を思いつきます。娘の幸せを願い、この結婚を成功させるべく伊都子は奔走しますが……。明治から昭和にかけて波瀾の生涯を送った女性皇族の視点を通じ、華麗な世界と高貴な者の知られざる内面を描く歴史小説です。
幻冬舎文庫
山本巧次さんの『千夏の光 蘭学小町の捕物帖』
江戸で指折りの蘭方医を父に持つ十八歳の千夏。周囲に猛反対されながらも蘭学に傾倒し、習い事や美しい着物、外見のいい男には全く関心がありません。ある日、旧知の同心から問屋の番頭が殺された話を聞き、調査を始めると、父が信頼する薬屋が関与していることが明らかになります。跳ね返り娘が科学の知識を駆使し、難事件に挑む時代ミステリーです。
文芸社文庫
白蔵盈太さんの『一遍踊って死んでみな』
娯楽が乏しい鎌倉時代、人々に刺激を与えたのは踊り念仏でした。家族も財産も捨て、阿弥陀仏の導きに従って行脚を続けた一遍。その足音や念仏のリズムは見る者を圧倒し、時衆による熱狂的なパフォーマンスが繰り広げられます。破天荒でありながら繊細な捨聖・一遍の物語です。
実業之日本社文庫
平谷美樹さんの『国萌ゆる 小説 原敬』
南部藩士の子に生まれ、戊辰戦争を経て新しい国づくりを志した原健次郎(後の原敬)。明治維新後、士族から平民へ転じた彼は新聞記者、外交官を経て政治の世界へ。藩閥政治から政党政治への刷新を目指し、〈平民宰相〉と呼ばれるまでの不屈の生涯を描いた大河巨編です。
小学館文庫
佐々木裕一さんの『忠臣蔵の姫 阿久利』
元禄の江戸、生類憐れみの令が布かれた時代。広島三次藩で生まれた阿久利は赤穂藩主・浅野内匠頭長矩に嫁ぎ、安寧な暮らしを送りますが、吉良上野介との対立や将軍の側近からの不興が影を落とします。夫の切腹後、国家老・大石内蔵助とともに浅野家再興を目指した阿久利の奮闘を描きます。
単行本『忠臣蔵の姫 阿久利』と『義士切腹 忠臣蔵の姫 阿久利』を、文庫化に際して改稿して合本したもの
PHP文芸文庫
細谷正充編さんの『おやつ 〈菓子〉時代小説傑作選』
月見団子や鶉餅、滋養のある菓子まで、甘いものに心和む名作アンソロジー。西條奈加さんや篠綾子さん、知野みさきら名手たちによる短編のほか、中島久枝さんや嶋津輝さんの書き下ろしも収録されています。
徳間文庫
馳月基矢さんの『深川ふるさと料理帖一 輪島屋おなつの潮の香こんだて』
江戸の「ふるさと横丁」で働く輪島屋のおなつ。郷土料理を振る舞いながら許嫁の帰りを待つ彼女が、祈りを込めて作る料理は潮の香り漂う卯の花ずしや茄子の煮物。ふるさとの味が心を癒す、温かな物語です。
!おすすめ度
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■:新装版/復刊
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◎:文庫書き下ろし
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