ミステリー利休の恋と死が紡ぐ、時代を動かした美学 山本兼一さんの『利休にたずねよ』(PHP研究所)を読んだ。作者の山本さんは、安土城を作った男を主人公にした『火天の城』で松本清張賞を受賞し、直木賞候補にも選出される、新作が最も注目される時代小説家の一人。戦国時代のテクノクラート(第一級の工...ミステリー戦国
捕物明治の「かわせみ」を読む 『華族夫人の忘れもの』が発売されたのを機に、遅ればせながら、『新・御宿かわせみ』を読んだ。江戸の「御宿かわせみ」の最終巻である、『浮かれ黄蝶(うかれきちょう)』も読んでいなかったこともあるが、登場人物たちの変貌ぶりに、幕末維新の激動ぶりを改...捕物明治
市井人情赤まんま―せつなくて愛おしい江戸の男女たち 北原亞以子さんの『赤まんま』を読んだ。「慶次郎縁側日記」シリーズの第八弾である。「三日の桜」「嘘(うそ)」「敵(かたき)」「夏過ぎて」「一つ奥」「赤まんま」「酔いどれ」「捨てどころ」の8篇を収録している。赤まんま―慶次郎縁側日記 (新潮文庫...市井人情捕物江戸
江戸新旧・徒目付の親子が活躍する痛快もの 小林力(こばやしりき)さんの『父子目付勝手成敗(おやこめつけかってせいばい)』を読んだ。小林さんは、前作『旋風喜平次捕物捌き(つむじきへいじとりものさばき)』で文庫書き下ろしデビューした、新進作家。カバーのプロフィールによると、1926年、...江戸痛快
武家ハラハラドキドキ、やがてジーンの一力ワールド炸裂 山本一力さんの『かんじき飛脚』を読んだ。物語の時代設定は、寛政元年師走。(『損料屋喜八郎始末控え』でも同じ時代が描かれていて、一力ファンには馴染み深い時代。)かんじき飛脚 (新潮文庫)作者: 山本一力出版社/メーカー: 新潮社発売日: 20... 2020.05.24武家江戸痛快